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2023年09月21日 by 熊走 珠美

万博の記憶 −情報誌『CEL』の連載コラム「万博遺産」

こんにちは。エネルギー・文化研究所の熊走(くまはしり)珠美です。私は研究所が発行する情報誌『CEL』の編集を担当しています。


9月1日に発行した最新号(133号)の特集テーマは、「対話で変わる人と組織 −精神療法を手がかりに」です。こちらの概要については、特集担当である鈴木隆研究員のコラム(9月6日)を参考にしていただくとして、私からは、巻末の連載コラム「万博遺産」をご紹介したいと思います。

どうすれば日本の組織は変わるのか|エネルギー・文化研究所/大阪ガスネットワーク株式会社 (note.com)


1.連載コラム「万博遺産」

 

情報誌『CEL』は年2回(3月、9月)の発行ですが、定期的に内容を見直し、新しいコーナーを企画しています。この「万博遺産」は、2020年7月発行の125号からスタートし、今号で9回目を迎えました。

大阪大学名誉教授の橋爪節也先生に執筆していただいていますが、これまで大阪で行われた万博が残した遺産を、建造物や美術品、風景などから読み解いていくコーナーです。1970年(昭和45年)に開催された日本万国博覧会(以下、EXPO’70)だけでなく、それ以前の第五回内国勧業博覧会(1903年、明治36年)、大大阪記念博覧会(1925年、大正15年)などについても言及されています。

コラムのなかで大きな要素を占めるのは、やはりEXPO’70です。橋爪先生は開催当時、中学1年生。多感な少年時代に地元大阪で開催された万博は、この世代の人々に大きな影響を与えたと思われます。先生の「万博愛」があふれるコラムは面白くてためになり、少しノスタルジックな内容で、当時を知っている人はもちろん、知らない人も、「へえ、EXPO’70って、こんなにすごかったんだ」と楽しく読んでいただけるでしょう。



     第9回では「せんい館」にまつわるエピソードを紹介(情報誌『CEL』133号)


過去の連載は、HPに掲載する情報誌『CEL』バックナンバーで、すべてお読みいただけます。

情報誌CEL - 書籍・出版/CEL【大阪ガスネットワーク株式会社 エネルギー・文化研究所】 (og-cel.jp)

 

このコーナーを企画した際、私たちは、過去の万博を振り返ることで、2025年(令和7年)に予定されている大阪・関西万博に向けて気持ちを盛り上げて行きたいと考えていました。連載開始から丸3年。コロナ禍の影響もあり、万博の計画は当初の予定通りには進んでいないようで、やや心配なところです。


2.私の万博の思い出 


さて、橋爪先生のコラムを読みつつ、自分自身の記憶をたどってみましたが、EXPO’70開催当時5歳だった私は、残念ながらほとんど何も覚えていません。万博会場である吹田市にほど近い街に住む私たち家族は、一度だけ会場を訪れたらしいのですが、母によると、「あまりの人の多さに驚き、早々に引き上げた」とのこと。なるほど、私が覚えていないのも仕方ありません。私よりも少し上の世代の人たちが、「万博会場で生まれて初めて外国人を見た」「月の石を見るのに何時間も並んだ」など、EXPO’70の思い出をあれこれ楽しそうに語るのを聞くにつけ、少し残念な気持ちになります。ただし、跡地であるエキスポランドや万博記念公園は何度も訪れました。エキスポランドは2009年(平成21年)に閉園しましたが、自然に恵まれた広大な公園である万博記念公園は今でもたまに行きたくなる場所です。数年前に太陽の塔の内部見学に行きましたが、岡本太郎氏による奇想天外な作品群は想像以上のエネルギーに満ちており、ただただ圧倒されました。


     太陽の塔の内部はまるで別世界 


その後、関西で開催された万博と言えば、1981年(昭和56年)の神戸ポートアイランド博覧会(ポートピア’81)でしょう。高校生だった私は親戚一同で出かけましたが、残念なことに塾の夏期講習があったので一人だけ先に帰るはめになりました。会場の入り口近くにあったUCCコーヒー館の前で従姉妹たちと並んで写った写真だけが思い出です。跡地にできた神戸ポートピアランドはお洒落なデートスポットとして若者に人気の遊園地だったので、2006年(平成18年)に閉園したときは寂しい気持ちになったものでした。


一番思い出に残る万博は、1990年(平成2年)に開催された国際花と緑の博覧会(花博)です。社会人3年目の私は、半年間の会期中に会場を4回訪れました。同期入社の男性社員たちがスタッフとして勤務していた日本ガス協会のガスパビリオンは、おにぎりロボットが大人気。他に印象に残ったパビリオンは、ひかりファンタジー電力館。坂本龍一氏の音楽が流れるなか、真っ暗な館内を乗り物で移動していくと、突然、満天の星がきらめく空間が現れるという何ともロマンチックな演出でした。数年前、情報誌『CEL』115号の取材でお会いした照明デザイナーの石井幹子先生が、電力館の照明デザインを手掛けられたと知ったときは感慨もひとしおでした。


以上、私の万博の思い出をつらつらと書き連ねましたが、大阪の北部に住む私が今でも万博を感じることができるのは、やはり「太陽の塔」です。EXPO’70の思い出は少ないですが、電車や車からふと見える太陽の塔は子どもの頃から特別な存在でした。そして、見るたびに、高度経済成長期の日本の活気や当時の人々が抱いていた未来への期待に思いを馳せてしまいます。

2年後の大阪・関西万博も、この太陽の塔のように、私たちの心のなかに強烈な思い出を残してくれるでしょうか。ぜひ、そうした記憶=「万博遺産」を残してほしいものです。

    近くから見上げると圧倒的な存在感


   *太陽の塔の写真はすべて筆者撮影(2019年6月)


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