この夏を乗り切るヒントを「夏の風物詩」から考えてみます。私が子どもの頃の夏の風物詩といえば、「行水(ぎょうずい)」、「スイカ」、「カキ氷」、「素麺」、「うちわ」、「風鈴」、「打ち水」、「蚊取り線香」、「花火」等が浮かんできます。今から50年程前で、冷蔵庫、エアコン、テレビ等の家電はなく、風呂も自宅にはなく銭湯に通っていた時代でした。私が住んでいる奈良県(奈良市)の1961年8月の最高気温の月間平均が32.7℃、一方2011年8月が32.8℃。気温は昔も今もほとんど変わりませんが、当時は、エアコンなしでも、暑い暑いと言いながらも熱中症にならず生活していました。昔の生活・暮らし方が今の時代のヒントになることが多くあり、今回は、この夏を乗り切るために「行水」を取上げてみました。
たらいに水を入れ、つかると、火照った体が冷え、さらに体についた水滴の気化熱で涼しく感じました。エネルギー消費ゼロで夏の暑さ対策になっていたのです。今はたらいもなく昔のような行水は無理ですが、こども用にはビニールプールをたらい代わりに使えばできます。大人向けには、今風の行水であるシャワーがあります。入浴時のお湯シャワーではなく、水シャワーです。汗をかいた後の水シャワーは気持ちの良いものです。水温と気化熱の両方の効果で体感温度を下げてくれます。ただし、いきなり全身にシャワーを浴びるのは体には良くなく、特に、お年寄りや心臓の弱い方は気をつけなければなりません。従って、水シャワーではなく、「ぬるま湯シャワー」でかつ手足の先から徐々に浴びる方法がベストでしょう。
みなさまも一度、エアコンの節電のための対策として、休日昼間の「ぬるま湯シャワー」を試してみませんか。