6月。梅雨入りも間近に迫ってきました。雨が多く、気温も上がってくる季節ですが、まだエアコンが必要なほどではありません。内閣府の消費動向調査によると、約30年前、1980年のエアコンの普及率は39.2%で、1世帯あたりの保有台数も1.3台でした。2012年3月には、普及率90.0%、保有台数3.0台となっており、生活の質が随分上がっていることが読み取れます。その引き換えに、家庭用部門のエネルギー消費も1980年からは約1.6倍に増大しています。 それ以前には、扇風機しかなかった時代もありましたので、「電力が不足するならエアコンなしで過ごせばよい。」という極論も時々聞かれます。しかし、無理に我慢をしても長続きしませんので、急にエアコン無しの生活になるというのは現実的ではありませんが、外出先でも移動中にも、空調が効いていることが普通になっている現代人は、暑さや寒さへの耐性が低下しているように思います。本格的に暑くなる前に、体を夏型に切り替え、エアコンに頼らずに過ごせる期間を少しでも長く取ることができれば、我慢を伴わない省エネができるのではないかと思います。 もともと、日本のように夏と冬がある地域に住んでいると、体も季節に応じて順応します。冬の20℃と夏の20℃では体感が全く異なることでも実感できます。それに合わせて、発汗量も変って、夏は汗をかきやすくなり、体温が上がり過ぎないようになるそうです。ところが、暑さに弱いという人の汗の量を調べると、暑さに強い人に比べて汗が少なく、体温を下げる機能が弱いということがあるそうです。エアコンが効いた場所にいることが多いと、体が夏型にうまく切り替わらないということではないでしょうか。 汗腺機能を鍛えるには、まず、軽い運動でよい汗をかくことがよいとのことです。私は、淀屋橋の職場からの帰宅時に南海なんば駅まで、できるだけ歩くようにしています。30分強かかりますが、冬でも体が温まります。運動も長続きする方がよいので、ウォーキングは最適でしょう。 また、栄養バランスを考えて食事をしっかり取る、風呂もぬるめのお湯で15〜20分程度ゆっくり温まることも、夏を元気に過ごすことに繋がります。このような実践は、生活習慣病の予防や、風邪を引きにくくする効果を期待して行うことが多いですが、省エネ・節電にも寄与すると言えます。 夏に向かうこの時期に、早めに体を夏型に切り替えて、うちわや扇風機で過ごせる期間を少しでも長くしたいものです。