前回、「早朝の山歩き」で、真夏でも早朝の山は意外なほど涼しい、と書きました。しかし、日が高くなってくると、日差しは下界よりも強く、やはり暑くなります。今回は、夏山での暑さを凌ぐために使っている三種の神器をご紹介しましょう。
1つめは、タオルです。水に浸したタオルを首に巻きます。コットンなど普通のタオルだと、すぐに生暖かくなってしまいます。樹脂製のいわゆる“冷感タオル”が売られていますが、含まれる防腐剤で湿疹やかぶれを起こす場合があると国民生活センターが注意喚起しています。乾ききると固まってしまうのも不便です。
そこで、愛用しているのが、超微細な化学繊維で織られたタオルです。繊維の表面積が広く通気性もよいため、広げて使うとタオルに含まれた水分はすぐに蒸発します。水分が蒸発する際に気化熱を奪うのでヒンヤリするわけです。生暖かくなってきても、空中で1、2回振るだけで冷たさが戻ります。もちろん汗もぬぐえますし、普通に洗濯もできます。
2つめは、扇子です。紙ではなく布張りで丈夫な山用の扇子を使っています。休憩時に優雅に扇子であおげば、団扇よりもセンスが光ります。
3つめは、携帯用のミスト発生器です。手動のポンプで空気を圧縮しておいて霧を発生させる、水鉄砲ならぬ霧鉄砲です。ミストが蒸発して涼しくなります。ミストサウナと同様、肌の保湿にもよいはずです。
これらの暑さを凌ぐ三種の神器は、山だけでなく日常の生活でも活躍します。今年の夏を乗り切る手段に加えてみてはいかがでしょうか。