今夏は「節電の夏」です。エネルギーを使わずに、五感(視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚)を使って、この夏を涼しく過ごす方法を考えてみましょう。この「夏を乗り切る」コラムで、既に「視覚」および「聴覚」を使っての対策は紹介されています。今回、私からは、「触覚」を使って涼しさを感じる方法を2つ紹介します。
まず一つ目は、昔からの日本の伝統的な下着で、おやじが夏に履く(私も毎年この時期に履く)「ステテコ」です。夏の暑い時、ズボンが直接肌に接し密着すると、通気性が悪くなり熱がこもり、また汗でズボンにしみができてしまいます。「ステテコ」は、表面がさらっとして肌触りが良く、また、肌にくっつかず通気性が良く、熱がこもらず不快感がなくなります。材質は、吸汗性が高い「木綿」や、通気性が高い「麻」があります。
最近は、「ステテココーナー」を作るお店も出てきており、ユニクロの世界最大店舗である銀座店の10階はフロア全体が「ステテコ」売り場となっています。さらに、「ステテコ」を履いたイケメンバーテンダーが、その人に似合う「ステテコ」のコーディネートや履き方を教える「ステテコBAR」も設置されているそうです。このフロアは男性客ばかりではなく、女性客もかなりの比率で来ているとのこと。女性のファッションの一つとしてブームになるのでしょうか。
2つ目は、下着以外で体に直接触れるものに枕があり、「い草枕」が夏対策として効果があります。熱帯夜の寝苦しい夜でも、「い草枕」は、い草のスポンジ状の材質のため、吸湿性が非常に高く、睡眠時の発汗から生じる、頭ののぼせや 寝苦しさを和らげる働きをします。また、さらっとした肌触りで快適な寝心地が得られます。「い草枕」は、「触覚」だけではなく、「嗅覚」においても効果を発揮します。い草は畳の材料で、生まれた時からその香りの中で生活してきた日本人にとって、枕から漂う香りは癒しの効果があります。私も最近は畳の部屋に居ることがなく、この時期に枕を「い草枕」に変えて寝ると、懐かしい香りを感じます。みなさんも、この夏、い草の香りの中で、夢を見ませんか。