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2012年07月17日 by 山下 満智子

「夏を乗り切る」食べ物といえば鰻と相場が決まっていましたが、

今年の土用の丑の日は727日です。「夏を乗り切る」食べ物といえば鰻と相場が決まっていましたが、ここ数年、稚魚のシラスウナギの不漁から鰻の高騰が続いています。天然鰻を扱う老舗の鰻屋さんでは、「1万円の鰻重」でなければ採算が合わないという声も聞かれるそうです。事実老舗の鰻屋の中には、店をたたむお店もでてきました。淀屋橋近辺では、老舗の「現長」も閉店し、近所のサラリーマンを残念がらせました。がんばって仕事をした時に慰労に連れて行ってもらう「特別のお店」でした。

 
土用の丑の鰻といえば、今では夏のことをさすようになっていますが、実は鰻の旬は、冬眠に備えて養分を蓄える晩秋から冬にかけての時期です。秋から春のものに比べて、夏の鰻は味が落ちるそうです。

 
鰻を夏に食べるようになった由来で一番有名なのが、平賀源内が発案したという説です。源内が「丑の日に『う』の字が附く食べ物を食べると夏負けしない」という民間伝承にヒントを得て「本日丑の日」と書いて鰻屋の店先に貼ることを勧めたところ、その鰻屋は大繁盛、他の鰻屋も真似るようになったというものです。

 
もう一つ万葉集に大伴家持の「石麻呂に吾物申す夏痩せによしという物そむなぎ(うなぎ)取り食(め)せ」があります。高タンパクで消化の良い鰻を夏に食べる習慣は、万葉集の時代までさかのぼることができるようです。しかし現代の形で一般に食べられるようになるのは、江戸時代後期です。家持も源内もぶつ切りにした鰻を焼いた(文字通り蒲の穂のような)鰻を食べていたことになります。

 
今年の丑の日を前に、スーパーでは、姿の似たアナゴの蒲焼を用意したり、「う」の附く物を食べるのが良いと伝承を逆手にとって牛(うし)や豆腐(とうふ)をセールしたりとスタミナのつく鰻以外の食材の販売に力を注いでいます。

 
2010年に水産総合研究センターが、鰻の「完全養殖」に成功したと発表しました。土用の丑の日に手軽に鰻が楽しめるようになるのは、もう少しの辛抱かもしれません。

Wikipedia ウナギを参考にしました。)

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