エネルギーを使わずに、五感を使ってこの夏を過ごす方法として、このコラムで、視覚、聴覚、触覚、嗅覚を紹介してきましたが、今回は最後の五感の「味覚」です。
夏の代表的なメニューといえば、やはり「カレー」です。連日、テレビでは「夏カレー」のコマーシャルが流れています。また、いくつかのファミリーレストランチェーンでもこの時期「カレーフェア」を行っています。今年でカレーフェア30周年を迎えるファミリーレストランチェーンもあります。大阪ガスビル最上階の欧風レストラン「ガスビル食堂」でも、8月から「真夏のカレーフェア」を行います。十数年前、当時大阪ガスの関係会社であった冷凍食品メーカーに出向し商品開発を担当していた際にも、この時期、コンビニ向けの「アルミ鍋入り冷凍カレーうどん」やファミリーレストラン向けの「カレーフェア用サフランライス」を製造していました。来月の8月2日は「カレーうどんの日」です。その関係もあり、夏のメニューといえば、すぐカレーを思い浮かべます。
暑い日が続き、食欲がなくなる夏でも「カレー」なら食べることができるという人は、私を含めたくさんいるでしょう。どうして夏にカレーを食べたくなるのでしょうか?カレーを食べると、体が熱くなり汗が一杯でてきます。これは、カレーに使われているスパイスの働きによるものです。唐辛子に含まれているカプサイシンという成分に発汗促進作用があり、かいた汗が蒸発する際に気化熱で体の表面温度が下がり、食後に清涼感を感じることができます。
その他にも、ターメリック(ウコン)、クミン、コリアンダー、ジンジャー、ペッパー等多くのスパイスが使われています。これらのスパイスにより、カレーには、食欲増進、胃腸の活性化、抗酸化作用、疲労回復等の多くの効用があります。夏ばて状態の体でも食べることができ、米、肉、野菜、乳製品等多くの材料を使って栄養バランスも良く、さらに、暑くて料理をするのがいやな時でもレトルトの調理済みカレーもあり、やはり、カレーは夏に合ったメニューといえます。
この夏、カレー、特にスパイシーカレーを食べてその辛さに「ヒーハー!」。そして、キンキンに冷えたビールをぐいっと飲み「プハー!」。みなさんもいかがでしょうか。