寒い冬に外出先から帰ってきた時、ホットドリンクを飲めば、身体の芯から温まり、ホットします。ホットコーヒー、ホットココア、ホットミルク等がありますが、お勧めは、私が住んでいる奈良県の名産である「吉野葛」を使った「葛湯」です。
「葛」は、秋の七草の一つでマメ科最大のつる性多年草であり、その根から得られるデンプンを精製して作られる粉が「葛粉」です。デンプン類の中では、最高級とされ、吉野地方で生産される「吉野葛」は最も良品であると言われています。葛の根を乾燥させたものを「葛根(かっこん)」と呼び、発汗、解熱作用があり、風邪薬として有名なあの「葛根湯」に用いられています。また、イソフラボン誘導体が含まれており、血中コレステロールの低下に役立つ他、骨粗しょう症や更年期障害等にも有効だと言われ、昔から生薬として用いられています。
葛は、血行を促進し、身体を温めることから、それを溶いた「葛湯」は、冬場にもってこいのホットドリンクです。とろみがあり、冷めにくいため、身体の芯から温まります。
また、葛は食用として、昔から、離乳食、介護食等にも用いられています。さらに、アルコールの分解産物であるアセトアルデヒドを分解する作用があり、飲みすぎて翌朝二日酔いで食欲がない時に飲めば、酔い覚め効果があり、朝食代わりにもなります。
葛湯のバリエーションとして「生姜」を入れた生姜葛湯はさらにホットな効果があります。生姜の辛みの主成分であるジンゲロール、ショウガオールが、血管を拡張し、血行を良くする効用があります。葛と生姜のダブル効果で、より身体を温めることができ、また薬用効果も期待できます。
お湯を注ぐだけで葛湯や生姜湯ができる商品がスーパーや薬局に並んでいますが、葛粉や生姜を買ってきて、黒糖や蜂蜜あるいはシナモンやメープルシロップ等と組み合わせて、自分の好みに合ったレシピーを考え、楽しみながらマイホットドリンクを作り、この冬を乗り切るのも良いと思いませんか。