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2013年03月08日 by 当麻 潔

ご飯の一生

 私が理事をしているNPO法人が、大学生を対象に農業体験を通じて総合的な人間力を形成する1年間の農業塾を実施しており、先日その終了式に参加しました。

 

 休耕田の耕運から始まり、田植え、草引き、稲刈りという稲作およびさつまいも、じゃがいも、かぶなどの野菜作りを、NPOの講師や農業ボランティアさんたちの指導の下、1年間15回行ってきました。16回目の終了式の日に、自分たちが育てた野菜の収穫を行い、この1年間を振り返りました。慣れない鍬での耕運、植えたさつまいもが全てイノシシに食べられたり、苦労も多かった分、育てた野菜の収穫は、非常に楽しそうでした。

 

 学生たちの感想は、「食卓に出てくるご飯が、いかに農家の方々の苦労や努力が詰まっているのかを知り、食のありがたみを知り、感謝の気持ちが沸いてきた」、「日頃スーパーに並んでいる野菜がいろんな国の苦労の上に運ばれていることを実感した」など、全員、生産者の方々への感謝の気持ちを持ち、参加して良かったとコメントしていました。 学生たちの体験談を聞いていて、私たちは普段食卓には当たり前のように料理が並び、生産者の苦労も知らずに食べていますが、これらの料理の材料が、どのようにして作られ私たちの家庭に届き、食卓に並んでいるのかという「それぞれの材料の一生」を考えてみる必要があるのではないかと思いました。

 

 例えば、「ご飯」は、今回学生たちが経験したように、春の耕運から秋の稲刈りまで、農家の人たちの多くの手間と苦労によりお米が出来、私たちの家庭に届いてご飯となっています。この一生を知ると「いただきます」という感謝の気持ちを持って食べ、ご飯粒一つでも残すと農家の人たちに申し訳ないという気持ちが沸いてくるでしょう。

 

 「ご飯」だけに限らず、野菜、電化製品、電気やガスのエネルギーなど、私たちの身の回りの製品の一生を知ると、生産地、生産者とのつながりを感じ、購入の際の選択も思案し、食品であれば残さず食べ、製品であれば、大事に長く使うようになるでしょう。また、使った後の廃棄処分・リサイクルについて調べてみるのも面白いものです。みなさんも一度、身の回りで一番好きな食べ物あるいは製品の一生を調べてみませんか。

 

参考資料:

 1.(公社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会

    わたしたちの暮らしはすべて世界につながっている

     〜商品の一生を知ろう〜」

 2.情報誌CEL102

    「エネル講座2家庭使エネルギ

 

 

 

 

 

 

 

 


 

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