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2013年07月26日 by 当麻 潔

水のありがたさと厄介さ

 私は今年の春から週末に、大学生たちと一緒に西宮の2つの農地で農作業を行っています。6月は本来なら田植えの時期だったのですが、今年の空梅雨のため、田植えをしようと計画していた農地に水が無くなり、そこでの田植えをあきらめました。田んぼには十分な水が必要で、稲や野菜には水は必須なものなのです。水の重要さ(ありがたさ)を痛感しました。

 

 田植えができなかった農地には夏野菜を植え付けようと準備をしていたところ、大雨が続き、農地に水が溜まってしまい、排水溝の設置、水出しなどの作業に追われました。今度は水の厄介さを体験しました(上部写真)。田んぼのようにぬかるんだ畑に、何とか、トマト、ナス、オクラ、ズッキーニ等の夏野菜を植え付けました。ところが、その後、また晴れの日が続き、畑が干からびてしまい、ヒビが入り、せっかく植え付けた苗に元気がなくなってしまいました(下部写真)。あらかじめ、水対策として、ビニールハウスに樋を取り付け、雨水を水タンクに溜めるようにしてあったため、追肥とその溜めた雨水で水やりをしました。農地と水との関係の難しさ・厳しさを知りました。

 

 私たちの生活になくてはならない水は、山林が蓄え、その山林から河川や農地、都市、そして時には河川に戻り、最終的には海へと流れていきます。その水が蒸発し、雨となり山林に降り注ぎ、また、前述の流れをたどり、循環します。農業は、この水循環とうまく付き合っていかなければなりません。

 

 農業と水の関係を調べてみると、日本で使う水の約3分の2が農業用水です(農水省HP)。また、身近な食料とその生産に必要な水の量は、日本で1kgの米を生産するのには、3,600倍の約3.6トンの水が必要であり、小麦は2,000倍、鶏肉は4,500倍、牛肉は20,700倍の水が必要であると算定されています(東京大学 沖教授: 20091月発行CEL87)。すなわち、私たちの食生活には非常に多くの水が使われていることになります。

 

 水も有限な資源です。私たちは、日頃から、水の大切さを理解し、生活の中で、お風呂、台所、洗面所などでの節水ライフスタイルによる水使用量の削減に取り組む必要があるのではないでしょうか。

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