私はCELでエネルギーや環境の研究をする傍ら、地元の環境NPOに参加して休日は環境・省エネ啓発活動を行っています。
先日の土曜日に「エコフェスタ2014 in まほろば」という環境イベントがあり、その環境NPOのブースで、家庭の省エネ診断、省エネグッズの展示、省エネパンフレットの配布など、市民の環境・省エネ意識を向上させる活動を行いました。省エネグッズとして、LED電球(白熱電球、蛍光灯電球との比較実演)、省エネシャワーヘッド、エコワット(家電の消費電力、電気代などが一目でわかる測定器)、等を展示しました。
また、「風力発電自転車」も用意しました(写真)。前のプロペラをうちわの風で回すと発電し、自転車のランプがつき、人形が自転車をこぐ教育キットです。こどもに体験させるもので、うちわを何回も強く振り回転数をかなり上げないと発電せず、電気を作ることのたいへんさ、節電の大切さを知ってもらうのが目的です。
5歳くらいの男の子がやってきたので、うちわを渡し、体験してもらいました。ところが、その子は、うちわを立てて、垂直に振り始めました。「そうじゃなくてうちわを横に振って風を起こすんだ」というと、ゆっくり横に振り出しました。でも振り方が弱くプロペラが回らないので、「もっと強くあおいで」と言うときょとんとした顔をします。うちわを使ったことがなく、その使い方や「あおぐ」という言葉を知らないのです。
扇風機もエアコンもない時代には、うちわは暑い夏にはなくてはならないものでした。また、かんてき(七輪)で火をおこす時にも使ったものです。ところが、エアコンやガスコンロが普及し、うちわを使うことがなくなり、見たこともないこどもたちが増えてきたのでしょうか。
うちわをはじめとする昭和の時代の省エネ・節電グッズ、すだれ、あさがおやへちまの天然日除け、ほうき、湯たんぽ、まだまだあります。私たちおとなは、これら昔の良きグッズをこどもたちに伝えていく必要があるのではないでしょうか。そして、エネルギー資源の少ない我が国においては、昔の暮らしで使われていた省エネグッズや習慣を再評価することが必要ではないでしょうか。