1月12日は成人の日でした。晴れ着を着た新成人の方々が、笑顔でこの日を迎えた様子を、テレビや新聞などのニュースで紹介していました。有名人では、フィギアスケートの羽生結弦、北海道日本ハムファイターズの大谷正平、歌手グループ・ももいろクローバーZの百田夏菜子(敬称略)など、すでに、成人になる前に幸運をつかみ、ばりばり仕事をしている方もいますが、大半は、これから、夢をかなえよう、夢を見つけようと、初心に戻りつつ、大人として自覚を持つ日だったと思います。私自身は、二十歳になった時、半分親のすねをかじりながら呑気に大学生活を送っており、年齢ばかりが大人の仲間入りをしたような成人式でした。
ところで、近年、小学校で「二分の一成人式」を行っているのをご存知でしょうか。地域により限られているのかもしれませんが、成人の二分の一、つまり10才になる4年生の3学期の授業の中で行われることが多いようです。わが娘もちょうど4年生です。その日に向けて「自分が生まれたときのこと、幼い頃の育児の苦労話などを、家族にインタビューしなさい」という課題をもらい、根掘り葉掘り私に聞いてはプリントに書き込んでいます。そして、インタビューをもとに作文をまとめた文集をつくったり、授業参観中に、保護者に感謝の言葉を述べたり、というイベントが待っています。大人になるまでの折り返し地点、生まれてからの10年間を振り返り、これからを展望する。ささやかな式ですが、ほほえましく、子供の成長をより応援したくなりそうです。子供自身も、何らかの気づきがあるに違いありません。
この「二分の一○○式」は、考えようによっては、大人にもさまざまありそうです。成人式の10年後・30才は、二分の一「還暦式」。44歳は、二分の一「米寿(八八歳)式」、50歳は、二分の一「百寿(他に上寿など)式」となります。改めて二分の一の地点に立っているのだと自覚すると、折り返した後半の日々が、自身の人生を決める気がしてきます。体力的にも金銭的にも、決して安易にはすまない、どこかで壁でぶつかるに違いないという不安がある一方で、前半戦で頑張ったご褒美を、後半戦の日々でより確かなものにして、ゆっくり楽しみ味わえたらいいなぁ、とも思います。
初々しい“新成人”や“二分の一成人”とともに、人生における自分の立ち位置を確かめ、気を引き締めて、まずはこの1年、心身ともに健康に、有意義に過ごしたいものです。