ここ数年、ある大学の講義でしている質問である。2010〜11年に大ヒットした『もしドラ』─『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』の女子学生の認知率が2013年75%、2014年50%、2015年25%、今年2016年5%(知っていると答えた学生は4回生なので実質0%)。
マーケティングの講義をおこなう鈴木隆研究員が最初にする質問だが、ファッション、トレンドというものの「時代速度」の速さを思い知らされる。時代・空気をつかむことの難しさを再確認させられるが、世の中を変えていくような商品コピーの認知率は高い。たとえばダイソンの「吸引力が落ちないただひとつの掃除機」の女子大生の認知率は毎年ほぼ100%。
もうひとつ大学の授業で気になることがある。グループワークが難しいということ。CELで接する大学の先生方と雑談していて、先生から「最近大学でグループワークが成り立ちにくい」とお聴きすることが増えている。
あるテーマを与えて、集団で討議をさせて、答えを導くようグループワークをしようとするのだが、どうしても「個人ワークとなりがち」だという。所定時間の大半で個人ワークがつづき、終了時間前にそれぞれの個人が作業したものを集めて、グループの答えとして提出される。ゲーム・スマホという時代も影響しているかもしれないが、グループワークのやり方、環境をこれまでと変えないといけないのではないだろうか?
(エネルギー・文化研究所 所長 池永寛明)
〔CELフェイスブック 11月10日掲載分〕