突然、大雨が降り出すことがある。
同じ市内でも大雨が降っている場所と、全く雨が降っていない場所とがある。車で5分も離れていない距離なのに、雨が降っているところと、晴れているところがある。
またそこに行くと、他では降っていなかったのに、雨が降る場所がある。地形の影響からか、都市熱などの外気温の影響からだろうか、最近とみにその傾向が強まっている。不思議だ。
昨日、近畿に台風が上陸した。
ジョギングのようなスピードで九州から徳島から東の和歌山に入り北東へ奈良に。そして滋賀へと北へと近畿をジグザグに縦横断した。さらに東に進み、そして日本海へと進み東北に向かう。ゆっくりとした速度の台風がひきつれてきた雲々が一ヶ所に雨を集中的に降らせた。
和歌山にいる友人から訊いた。
「最近の大雨慣れで、早くから避難準備 → 避難勧告 → 避難指示と広報され、備えがすすんでいた。和歌山市内では人々の行動は淡々としたものだった」。夏休みであったこともあり、大阪駅などのターミナルでの乗降者の混雑は少なく、まばらだった。
滋賀にいる友人から訊いた。
「台風が和歌山に上陸して東に行くものとおもっていたが、琵琶湖が引きよせてしまったのですかね。姉川が氾濫したことに驚きました、今まで経験したことがなかった」
道や川、鉄道などのインフラに被害が出て、都市・地域の影響が出たが、情報ネットワークの速度と木目細やかな情報量が増えたことから、過去より台風に備える力が高まったのではないだろうか。
しかし気になることがある。
台風の前日の夜に出くわした風景。あるマンションで火事があった。サイレンを鳴らして、消防車や救急車、パトカーが何台も現場に向かっている。緊急自動車が近づいているのに、前を行く車は進路をゆずらない。1台、2台、3台と普通車がペースを変えず緊急自動車の前を走りつづける。まるでサイレンが聴こえないがごとく。
さらに火事の現場では消火活動をする消防や警察の車両や人たちを取り囲むように「野次馬」が群がっている。車道にのりだして写メしている。それが他人に迷惑を与えるのではないかと思いを致さない人が増えている。消火活動に影響を与えていないのかと気になった。
思いを致せないのだろうか?
(エネルギー・文化研究所 所長 池永寛明)
〔CELフェイスブック 8月8日掲載分〕