いろいろなお地蔵さんに出会えた。いろいろなお地蔵さんをささえる人々に出会えた。
大阪・上町台地をはじめ、各地のお地蔵さんのお世話をされている方々、地域のなかで今日的な地蔵盆の形を模索し生み出している方々、お地蔵さんの民俗調査を実践されている方、まちづくりの観点からお地蔵さんの役割を研究している方、お地蔵さんに関心を寄せ見守っている方々、地蔵盆のフリーライダーから次のステップに進めないか思案している若い世代、まちづくりの第一線で、お地蔵さんとの接点のある方々など。若年世代から熟年世代まで幅広い世代、さまざまな分野・立場の方々約70名がそれぞれの情報や思いを持ち寄り、少子高齢化が現実的に社会に広がるなか、当事者として、地域の成り立ちや暮らしの変遷と今後を考えるフォーラムを9月10日に開催した。
身近なお地蔵さんを通して、時代によって移り変わっていく人間関係や不安や願いのありよう、災害(水害、火災、震災、事故)の記憶、地域の産業やまちの開発の履歴、コミュニティ形成の知恵の蓄積に触れることができる。
また、お地蔵さん特有の包容力や柔軟性は、異なる世代や新旧住民をつなぐ役割を発揮し、孤立しやすい家族・地域・社会のなかで、新たなゆるやかな「縁」を創り出す取り組みも生まれ、大きな可能性を見いだすことができる。
一方で、人口構造の転換や、ささえ手と参加者のアンバランスがもたらすコミュニティの軋み、後継者の不在など、多くの現実を学び共有できた。さまざまな世代・分野・立場の参加者がそれぞれのフィールドから情報を持ち寄ることによって、視野を広げ、今後につなぐ機会となった。
■ フォーラム名
“大阪のお地蔵さん”に学ぶ、まちと暮らしの今昔物語
〜人々の願いとともに移り変わり生き続けるお地蔵さんの習俗と生活文化から〜
■ 講師
田野登氏(大阪民俗学研究会 代表、『大阪春秋』編集委員)
渡辺尚見氏(からほり倶楽部 理事)
■ 開催日時
2017年9月10日(日) 14:00〜17:00
■ 会場
大阪ガス実験集合住宅NEXT21 2階ホール
■ 主催
大阪ガス エネルギー・文化研究所(CEL)
U-CoRo 上町台地コミュニケーション・ルーム
http://www.og-cel.jp/project/ucoro/index.html
(エネルギー・文化研究所 特任研究員 弘本由香里)
〔CELフェイスブック 9月12日掲載分〕