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2023年02月09日 by 栗本 智代

まちの語りべになろう ―「語りべシアター」制作・発表体験ワークショップから


こんにちは。エネルギー・文化研究所の栗本智代です。


私は、関西・大阪の活性化のため、まちの歴史や文化を楽しくわかりやすくご紹介する活動として、音楽の生演奏、映像と語りによる「語りべシアター」の公演を展開しています。


まずは、大阪・関西の地元の住民の方々、近畿圏の皆さまを対象に、地域の魅力やこれからのまちのあり姿について、興味を深めていただきたいと考えており、そのために、自らが公演することにくわえ、「語りべシアター」の手法を活用して、地域の魅力を発掘・発信していく仲間、担い手を増やしたいと、ワークショップを開催してきました。しかし、コロナ禍でその活動も中断せざるをえませんでした。


そんな中、2022年、大阪市立総合学習センター主催でワークショップを復活させることができ、予想以上のよい成果が得られました。今回は、その経緯や取り組み内容を紹介します。

(上の写真は、ワークショップ最終回での発表会より)


1.  大阪市立総合学習センター「いちょうカレッジ」でのワークショップ

 

「語りべシアター」の活動は、公演内容や制作過程などを言葉や画像で説明するだけではその意義や魅力が十分に伝わりにくいのが悩みどころです。が、地道に公演活動実績を重ねることで、自治体や民間の団体様からのお声がけや協力も少しずつ増えてきました。そして2022年、大阪市立総合生涯学習センター主催で、ワークショップ形式での講座が実現しました。


同センターが開催する「いちょうカレッジ」は、開かれた市民大学として、「学んだことを地域で活かす」をテーマに、学びと実践の環境を実現し、魅力的な地域づくりをサポートすることを趣旨に運営されています。2021年に、講演とまち歩きをセットにした4回コースの講師を受け持ったご縁で、2022年は、「語りべシアター」の制作から発表までを体験する講座を設定していただきました。「いちょうカレッジ発 まちの語りべになろうーわがまちのものがたりをわかりやすく楽しく紹介しよう」という講座タイトルで募集したところ、20数名から申し込みがありました。が、コロナ禍ということもあり、途中体調不良などの理由で欠席者が複数出て、実質15名の参加者で進めることになりました。

 

                     開催案内チラシ

                   


2.チームごとのワークと役割分担


講座を進めるにあたり、これまでのワークショップの第一期の卒業生お二人にサポートに入っていただき、オリエンテーションでは、語りべシアターのイメージを掴むためのミニ公演も実施してもらいました。


次に、参加者をチームに分ける作業が必要になります。これまでワークショップを開催する度に悩むことが多く、成功の鍵がここにある、とも言えるステップです。なぜなら、参加者それぞれの特技や才能を十分に活かしていただくため、各チームでの役割分担が大切になるからです。リーダーシップをとる方、パソコンを使う方、最終シナリオを書く方、画像(写真やイラスト)を準備する方、語り・朗読をする方など、各チームでバランスが必要です。今回、私にとっては初対面の方ばかりでしたが、受講者には「いちょうカレッジ」常連の参加者も複数おられ、総合生涯学習センターの担当者がよくご存じだったので、一緒にチーム分け作業に入っていただき、何とか3つのチームに分けることができました。


 

           チームごとに相談しながらワークを進める


 

チームが決まれば、ここからは、チームごとのワークになります。今回のテーマとして、“「御堂筋」界隈”とざっくり提示し、詳細は各チームメンバーの得意分野や興味に任せて決めていただくことにしました。関連する昔の画像データーで著作権に問題のないものは、紹介や共有を行い、ちょうどONLINE配信用に制作した動画「語りべシアター 御堂筋ものがたり」も参考に見ていただきました。


チーム分けが7月19日、最終回の発表会が8月23日と、約1か月、募集時に設定した日程以外も含め、各チームのペースで進めてもらうようお願いし、必要に応じてアドバイスをしていく形をとりました。



3、チームの個性を発揮した、充実した発表会

                  

今回は、短い期間でのワークショップで、とりあえず何か制作・発表する体験をする、という目的でしたが、各チーム、かなり努力していただき、非常にユニークな発表会となりました。1つめのチームは、「地下鉄御堂筋線と御堂筋」に焦点を当て、古地図や昔の写真をうまく加工して、現在の御堂筋が完成するまでの歩みを、誠実にわかりやすく解説する発表でした。2つめのチームは、御堂筋に関する歌謡曲にテーマを絞り、「たそがれの御堂筋」(唄:坂本スミ子)を一緒に歌ったり、メンバーの一人がプロの司会業に携わっていた方ということで、昭和の懐メロを楽しむ発表となりました。3つめのチームは、前半は紙芝居を使って、おじいちゃんと孫がまちを歩く「御堂筋大阪レトロ建築物さがし」、後半は、ふだん外国人の街歩きガイドをされている方が、かつての道頓堀の賑わいについて詳細に紹介する、というメンバーの個性を活かした二部構成の内容の濃い発表となりました。


 

                 発表会の様子

 

4.今後の展開


終了後のアンケートでは、ほとんどの方が、活動を継続してじっくりと時間をかけて制作し、一般のお客さまの前で発表したいというお気持ちだということがわかりました。チームによっては、LINEで繋がり続けておられ、忘年会で集まる予定もあるとのことでした。そこで、希望者を募り、当研究所主催の「語りべシアター」の担い手として、継続して活動を行っていただくことになりました。まずは、今年2023年の初夏、コロナ禍がおさまるであろう時期に、大阪市立総合生涯学習センターのご協力も得ながら、発表会を開催しようと計画を進めています。新生チームの新しい作品、非常に楽しみです。

 


■語りべシアター ホームページ https://www.og-cel.jp/project/narrators/index.html


語りべシアターONLINE動画はこちらからご視聴ください


  YouTube「語りべシアターチャンネル」

     https://www.youtube.com/channel/UComUjrdoe88deEMWZLfc-Lg


 


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