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2023年12月27日 by 熊走 珠美

読書のすすめ −情報誌『CEL』の書籍案内コーナー


こんにちは。エネルギー・文化研究所の熊走(くまはしり)珠美です。私は研究所が発行する情報誌『CEL』の編集を担当しています。このコラムでは、情報誌『CEL』の内容や制作にまつわるお話について書いていますが、今回は、『CEL』の隠れた人気コーナーである「書籍案内」をご紹介します。


突然ですが、皆さんは最近、読書をされていますか?

かくいう私も仕事で必要な本をたまに読むぐらいで、普段は雑誌や新聞に目を通す程度です。最近では、忙しさにかまけて、新聞さえ読まない日が続いたりします。


私が一番よく本を読んでいたのは中高生の頃です。学校帰りに駅前の小さな書店の棚を眺め、外国文学や日本の小説を文庫本で購入し、毎日の通学電車内で読むのが何よりの楽しみでした。新潮文庫が100円から購入できた時代です(私の記憶では、80円の本もありました!)。『風と共に去りぬ』や『嵐が丘』のようなドラマチックなお話に胸を躍らせたり、ハヤカワ・ミステリ文庫のアガサ・クリスティの『名探偵ポワロ』シリーズを夢中で読んだり・・・。


当時の私は学校の勉強の合間をぬって読書していたので、「大学に入学して時間ができたら、今よりずっとたくさんの本が読めるのに!」と大学生活を心待ちにしていました。しかし、実際に大学生になると、私の読書量は一気に減りました。私のような怠け者は、「いつでも本を読める」環境にいると、結局読まなくなるということを、身をもって知ったのです。


社会人になって仕事が忙しくなると、ますます本を読まなくなり、「趣味は読書です」と言うのをやめてしまいました。


その後、書店はどんどん大型化し、店内には大量の本や雑誌があふれるようになりました。昔のように、限られた棚を眺めるだけで本を選ぶ時代は終わり、ネット書店の台頭で、実店舗に足を運ぶ機会も少なくなりました。昔ながらの小さい書店は閉店していき、私が通った駅前の書店も、数年前、ついに姿を消しました。長年親しんだ書店が更地になったときは、本に夢中だった10代の自分を思い出し、ノスタルジックな気持ちになったものです。


本の種類や発行数が増え、自宅で簡単に本を買えるようになった今、私たちはどうしたら読みたい本に出合えるのでしょうか。忙しいなか、時間を割いて読む本だからこそ、失敗したくないと思われる方も多いでしょう。新聞の書評やネットの口コミ、書店の平積みなどをヒントに本を選ぶ。選択肢が増えたからこそ、本選びが難しくなっていると感じます。


さて、そんな本選びのヒントになるのが、情報誌『CEL』の書籍案内コーナーです。このコーナーでは、毎号の特集テーマに合わせて、選りすぐりのおすすめの本を10冊紹介しています。特集テーマの記事の理解を深めることができる本を硬軟取り混ぜて選定し、簡単な紹介文とともに掲載しています。『CEL』の特集ページに興味をもち、「もっと深く知りたい!」と思われた方には、ここで紹介する本をおすすめします。本の選定にあたっては、制作会社の平凡社さんだけでなく、私たち担当者も候補の本を取り寄せて内容を吟味し、紹介する10冊を厳選しています。


情報誌『CEL』は毎号、読者アンケートを取っていますが、その中の「良かったコーナー」に、この書籍案内を挙げて来られる方が意外と多いです。「『書籍案内』のおすすめの本を毎号参考にしている」「好きなコーナーです」といったうれしいご意見をいただくこともあります。


ずいぶん手前味噌な話になってしまいましたが、一度、この隠れた人気コーナーに目を通していただければと思います。そして、このコーナーが皆さんの「読書ライフ」の一助となれば幸いです。


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