弘本 由香里
2019年03月26日上町台地 今昔タイムズ vol.12 2019春・夏号
「上町台地から見はるかす 博覧会“百年の計”で築いた大阪とは」
発行: 大阪ガス エネルギー・文化研究所(CEL)
企画・編集: U-CoRoプロジェクト・ワーキング(CEL弘本由香里、B-train橋本護・小倉昌美)
要旨:
19世紀から20世紀へ、産業・社会の大転換期を象徴する博覧会が、大阪・上町台地で開催されました。「第五回内国勧業博覧会」、その内容・規模ともに明治維新以来の同博覧会とは一線を画すものでした。産業振興や教育、消費文化の普及に留まらず、百年の計で都市・大阪の近代化、再起動を目論み、その後の「大大阪」に至る、グランドデザインが背景にありました。博覧会が残したものは何なのか、消えたものは何なのか、上町台地から見はるかせば、次なる百年の計へと眼差しが向かいます。
未来の都市と暮らしのイメージを、実物大で出現させ、何百万、何千万もの人が、驚きや憧れや理想を共有する。博覧会は、人々の心をつかみ、産業・技術の振興、平和、地域の発展、災禍からの復興等を推し進める装置として、20世紀を造形してきました。大阪でも数多の博覧会が行われてきましたが、上町台地での開催件数は群を抜いています。この地が大阪の都市形成史の中で、未来を揺籃する境界域・結節点としての役割を担い続けてきたのだとすれば、今改めてその役割が問われます。
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