弘本 由香里
2022年03月22日上町台地 今昔タイムズ vol.18 2022年春・夏号
「再生の物語を求めて 台地の門前から今に続く語りの世界」
コロナ禍の下、3度目の春を迎え「上町台地 今昔タイムズ」最新号(vol.18)では、「再生の物語を求めて 台地の門前から今に続く語りの世界」をテーマとして、編集に取り組みました。
その昔、動乱の世を生きた人々は、救いと再生の物語を求めて、上町台地を行き来しました。本号では、中世の四天王寺を象徴的な舞台の一つとした「しんとく丸」や「さんせう太夫」等の物語を入り口に、説経節に始まり、能や浄瑠璃や落語等々、人々に求められ、さまざまな芸能の姿を借りながら、時代を越えて成長や再生の物語を共有してきた、市井の文化のありように注目しました。
紙面の1面では、中世に生まれた民衆の語り芸能を手掛かりとして、代表的な物語の系譜と背景にある門前の風景を見つめ直し、2面ではそこから現代に視野を広げ、物語を媒介する広義の芸能や語りと集いの文化の今に光を当て、上町台地ならではの4つの魅力的な取組みを取材させていただきました。
編集を通じ、今、再び、大きな社会の変化の只中で、直面する格差や分断、孤立の闇を越え、人々の心を和らげ、頬をほころばせ、成長や再起を支える、無縁平等の広場のような場所が必要とされているのではないかとの想いを新たにしています。これからの地域・社会を考える際の、手がかりの一つとしていただけましたら幸いです。
※下記リンクから、PDFファイルをダウンロードしてご覧いただけます。