大屋 洋子
2008年06月30日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
カテゴリー |
媒体(Vol.) |
備考 |
---|---|---|---|---|---|
2008年06月30日 |
大屋 洋子 |
住まい・生活 |
食生活 |
情報誌CEL (Vol.85) |
ページ内にあります文章は抜粋版です。
全文をご覧いただくにはPDFをダウンロードしてください。
食育基本法が施行されて3 年。食育という言葉はすっかり定着したかに見える一方で、その定義をちゃんと語れる人は意外に少ない。電通食育プロジェクトの調査結果からも「食育」は、消費者から実にさまざまなイメージで捉えられていることがわかる。
電通では、食育を「心と身体のために『おいしく食べる力』をつけること」と定義している。その『力』とは、「選ぶ力」「調える力」「楽しむ力」「感謝する力」の4 つ。旬や産地、栄養素や添加物などの知識を身につけることは、おいしく安全な食材を選ぶ目を養うことに等しい。調えるとは、調理だけでなく、盛り付けや食卓の演出も含まれる。楽しく食卓を囲んだときの食事は、なぜかいっそうおいしく感じられる。その際、マナーは不可欠であるし、食にまつわる知識は会話のエッセンスにもなる。生産者の汗を知ること、食が殺生で成り立っていることを知ることで、おのずと感謝の心は生まれるだろう。その心は、「いただきます」や「ごちそうさま」という言葉として発され、目の前の食事は、よりおいしく感じられるはずである。