CEL
2004年12月25日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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2004年12月25日 |
CEL |
都市・コミュニティ |
まちづくり |
情報誌CEL (Vol.71) |
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一二〇〇年にわたる京の歴史を継続する川づくり
京都市内を南北に流れる「鴨川」は、かつては頻繁に氾濫を起こし、洪水の被害を与える川だった。近年では昭和十年に死傷者一二人、家屋浸水約二四〇〇〇戸、さらに鴨川に架かる橋のほとんどが流失するという大洪水に見舞われている。この大洪水を契機に、昭和一一年から二二年にかけて抜本的な改修が進められ、今の姿が形づくられた。現在、鴨川を管理する京都府では、一二〇〇年にわたる京都の川の文化を踏まえつつ、長期的には一〇〇年に一度の洪水に耐えられることを目標とした鴨川づくりを進めている。
そのための具体的な事業の一つに、京都市域内の四一の河川を対象に、潤いのある美しい川づくりを目指す『京の川づくり』事業がある。学識経験者や京の町衆(市民)などで構成された「京の川づくり懇談会」(座長:岡崎文彬京都大学名誉教授)が、理念や整備のコンセプトをとりまとめて「京の川づくりプラン」を作り上げ、それに沿った事業を推進し、鴨川では、平成四年から「花の回廊」の整備などが進められてきた。 この「花の回廊」は、昭和六二年に東の堤防上を走っていた京阪電車と琵琶湖疏水の地下化が完成したのをきっかけに、三条から七条間の左岸の河川改修を行った。その際、四季折々の花や木を楽しみ、鴨川の川面を眺めながら散策できる緑の空間を生みだした。