弘本 由香里
作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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備考 |
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2009年03月23日 |
弘本 由香里
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都市・コミュニティ |
コミュニティ・デザイン |
CELレポート (Vol.36) |
出版の経緯:
2007年、(財)大学コンソーシアム京都、同志社大学、大阪ガス(株)エネルギー・文化研究所(CEL)が連携し、CEL寄付講座「コミュニティ・デザイン論」を同志社大学に単位互換授業として開設した。これは、コミュニティ・デザインの実験場ともいうべき、大阪・上町台地界隈で取り組まれてきた、産・学・地域協働の多彩な実践と研究から見出した知恵を、フィールドを越えて共有し、将来のまちづくりのために活かしていこうという試みである。現場から社会の変化に向き合ってきたまちづくりの実践者たちと複数の大学・企業の研究者が登場する。本書は、その連続講座を元にしながら、大幅な加筆修正を行い、さらに書き下ろしを加えて構成し出版するものである。
内容:
社会の変化とともに、まちづくりの主題や担い手のあり方は大きく変化している。まちの暮らしを持続的に支えていく新たな仕組みづくりが求められ、既存の地域資源を活かしてコミュニティの力を育んでいくまちづくりが、各地で模索されている。しかし、個人化や多様化が進む現代の暮らしの中で、人と人や人と場所の関係を再構築していくためには、従来の枠組みを超えるまなざしや知恵が欠かせない。そこにつながりのデザイン(コミュニティ・デザイン)という共通項が浮かび上がってくる。
本書で具体的に取り上げているまちの現場は、大阪の都心部を南北に走る上町台地界隈である。長屋再生、コリアタウンと多文化共生、地域の拠点としての寺院、地域防災やコミュニティ・ツーリズム、人と場所をつなぐネットワーキングの試みなど、コミュニティ・デザインの実験場としての、数々の知恵と教訓の集積がある。上町台地の現場から、産・学・地域協働の多彩な取り組みを展開する実践者と研究者が、それぞれの立場や地域を越えてコミュニティ・デザインの知恵を分かち合い、まちに向き合って生きるコミュニティ・デザイナーとは何かを問いかける。