アレックス・マクギリブレイ
2011年03月25日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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2011年03月25日 |
アレックス・マクギリブレイ |
住まい・生活 |
その他 |
情報誌CEL (Vol.96) |
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-はじめに-
この論文では、企業責任と持続可能性に関する最近の主要な動向について考察する。特に日本と欧州における取り組みの類似点と相違点を検証し、お互いに学び合えるかどうかについていくつかの結論を導き出す。
市民権、持続可能性、説明責任、統制などの概念を含め、企業責任(CR)について定義している文献は多数あるが、ここでは欧州委員会の採用する広い定義、つまり、「企業が自らの事業活動およびステークホルダーとの相互関係において、社会や環境への配慮を自発的に組み込む概念」(※1)という定義を使用する。
日本は、グリーン企業に関して素晴らしい実績がある。2010年「ニューズウィークグリーンランキング」(※2)で、上位20社のうち6社が日本企業であった。世界最大のイニシアチブである「国連グローバル・コンパクト」(※3)について見てみると、現在、世界130カ国、5300に上る企業が参加しているが、そのうち170社が英国、152社がドイツである。一方、アジアは、日本が123社、中国が160社である。
このように、今やCRは多くのグローバル企業にとって“新しい標準”になっている。だとすれば、国によってCRへの取り組み方法に違いはあるのだろうか? もしあるとすれば、それらを学ぶ機会はあるのだろうか?
「国によって違いがあるという仮説」について確かめるため、シンクタンクであるアカウンタビリティ社(AccountAbility)が03年から07年まで、世界105カ国について算出した「責任ある対応に関する指標(Responsible Competitiveness Index :RCI)」(公的なデータソースから様々な指標を用いて、各国のCRの現状を評価している)に着目する(※4)。07年には、日本のRCIスコアは、フランスなど、欧州の主要国とほぼ
同じレベルであった。しかし、総合点を構成する副指標のスコアに興味深い違いがある。特に、RCIスコアがトップのスウェーデンは、事業活動(副指標2)において高いスコアを示した。一方、英国は政策への影響力(副指標1)が高い。日本のRCIスコアが低かったのは、主として、社会への影響力(副指標3)(フリーダム・ハウス、トランスペアレンシー・インターナショナル、および世界経済フォーラムより)のスコアの低さが原因である。また、いくつかの社会的パラメータ(男女平等など)に関する事業活動のスコアは若干低いが、従業員訓練のスコアは高い。
(※1)http://ec.europa.eu/enterprise/policies/
sustainablebusiness/corporate-social-responsibility/
index_en.htm
(※2)http://www.newsweek.com/content/newsweek/
2010/10/18/green-rankings-global-companies.html
(※3)http://www.unglobalcompact.org/
ParticipantsAndStakeholders/index.html
(※4)http://www.accountability.org/research/
responsiblecompetitiveness/index.html
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