炎と食
炎と食II まえがき
作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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媒体(Vol.) |
備考 |
2016年02月01日
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山下 満智子
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住まい・生活
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食生活
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炎と食
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大阪ガスでは、1990年から2014年の25年間にわたり、「炎と食シンポジウム」を毎年開催し、関西の食・調理分野の研究者の皆さまから貴重なご意見を頂戴する機会を得ました。この間の第10回シンポジウムを記念して社内で研究会を立ち上げ、2000年には「炎と食−日本人の食生活と火−」を作成し、有識者の皆さまの論考と合わせて、創業時から1999年までの大阪ガスの食分野の活動と家庭用ガス機器開発の歴史をとりまとめました。本書はその続編として、シンポジウムの講演録と、2000年から2015年までの取り組みを、エネルギー・文化研究所が中心となり編集したものです。
1905年創業の大阪ガスは、10年後の1914年には都市ガスの主要な用途を、それまでの照明から厨房の熱源へと大きく転換をはかりました。そのためのPR活動においては、当時はまだ厨房に入りにくかった男性社員にかわって女子説明員がその役割を担いました。彼女たちはお客さま宅を一軒一軒訪問し、都市ガスは薪や炭と同じように使える「新燃料」で、お手入れが簡単かつ経済的であると説明して回ったことが記録に残っています。以来大阪ガスは、100年以上にもわたり都市ガスを厨房のエネルギーとしてご利用いただき、各ご家庭には料理講習室における活動などを通じてさまざまな食の提案を続けてまいりました。
昨今、食を取り巻く環境は大きく変りつつあります。国際的な水や食糧資源問題をはじめ、身近な食品の安全・安心の確保や、少子高齢化やライフスタイルの変化にともなう食生活の変容など、多くの課題が山積しており、食に対する新たな対応や提案が求められております。こうした中、大阪ガスの食分野における取り組みにおきましても、従来からの料理講習活動に加え、食育や火育の推進、食に関するさまざまな研究、大学や団体・他企業とのコラボレーションなど、活動の強化と充実に努めてまいりました。そして、2015年には食と住まいの情報発信拠点として、「hu+gMUSEUM(ハグミュージアム)」を弊社創業の地である大阪市西区の岩崎地区にオープンし、新しい時代の食の提案活動を進めつつあります。
今後とも大阪ガスは、食に関する一歩先を見据えた提案活動を通じて、お客さまの豊かな暮らしをともに創造するパートナーであり続けたいと考えております。皆さまにおかれましては、今後ともより一層のご指導ご鞭撻をお願い申し上げます。