情報誌CEL
ナレッジマネジメント リクルート
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2016年07月01日
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情報誌CEL
(Vol.113) |
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創業以来、数々の事業を生み出し、あまたの人材を世に輩出してきたリクルート。時を経て会社が成長し、人が入れ替わっても、脈々とそのDNAは受け継がれ、挑戦する社風は変わることがない。しかし、その陰で、綿密につくり込まれたナレッジマネジメントの仕組みが同社を支えていることはあまり知られていない。ナレッジマネジメントの推進責任者であるリクルート経営コンピタンス研究所の巻口隆憲室長にお話を伺った。
ナレッジマネジメントの要、称賛の場としてのFORUM
洗練された人物紹介VTRが流れ、スモークとともに派手に本人が登場する。迎えるのは優に千人を超える観衆だ。この華やかなイベントは、リクルートグループ(以下、リクルート)が年に一度、開催しているナレッジ共有イベント「FORUM」だ。リクルートは、リクルートホールディングス傘下に各事業会社が連なる体制だが、FORUMはグループを横断して共有すべき優れたプロジェクトや取り組みの事例を発表し、称賛する場だ。前身となるイベントを発展的にリニューアルする形で、事業開発、顧客接点(営業)、エンジニア、経営スタッフの部門別のFORUMが2015年にスタートした。
この日を迎えるまでの道のりは長い。まず社員ひとりひとりが自分自身の仕事を振り返り、レポートを書く。グループ全従業員は3万人。ここから、各社の社内審査で絞り込まれた約100点のレポートがプレゼンテーションの候補としてエントリーされる。部門ごとに設ける審査委員会は、各事業会社から部長などのミドルマネジメント層が集まり、約20人で構成される。各委員は20〜30に及ぶレポートを読み、3〜4時間もの議論を経たうえで、会場でプレゼンテーションする10本を選出するのだ。主催するのはリクルートホールディングスのリクルート経営コンピタンス研究所(以下、研究所)だ。
当日のプレゼンテーションをより効果的にするために、発表者ひとりひとりに専門の講師をつけ、マンツーマンで発表のしかたも指南する。プレゼンテーションの内容も、主催する研究所のメンバーが事前に面談し、的確な疑問を投げかけることで発表者に気づきを与え、結果としてみんなが知りたいポイント、共感を覚えるエピソードなどが余すことなく盛り込まれるように導く。これらのプロセスを経て、当日のプレゼンテーションを迎える。