保坂 伸
金澤 成子
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備考 |
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2020年11月01日 |
保坂 伸 |
エネルギー・環境 |
エネルギー・ライフスタイル |
情報誌CEL (Vol.126) |
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00年代以降、かつての輝きを取り戻すべく、もがき続けた日本にあって、私たちは今、コロナ禍のもと、これまでにない危機に直面している。変わりゆく社会を受け止めるだけでなく、目前の可能性を逃さず、果敢に挑戦していくためには、官民ともに何が必要なのか。今号からお届けする特集「未来を創る」シリーズの劈頭にあたり、長く行政の中枢におられ、国の進むべき道を模索し続けてこられた資源エネルギー庁長官の保坂伸さんに、未来へ向けた処方箋を伺った。
まず徹底的に考え
議論することから
金澤 これまでも一貫して希望のある日本を目指し、多方面で精力的にお仕事をしてこられた保坂さんには、いつもお会いするたびに、叱咤激励をいただき、感謝いたしております。今日はぜひ、読者にとっても、元気が出るようなメッセージをお願いいたします。
保坂 金澤さんと最初にお会いしたのは、2015年のこと。経済産業省が創設した研修「Women's Initiative for Leadership(以下、WIL)」でした。民間企業における「次世代の幹部候補である女性」を対象としたこの会には私自身も最初の立ち上げに関わり、いわゆるメンターとしても参加させてもらいましたので、とても思い入れがあります。WILの目的をひと言でいえば、「ダイバーシティ(多様性)&インクルージョン(包摂)」ということでしょう。○年後までに女性管理職の割合を○%まで引き上げる、など数値目標を掲げるだけでなく、女性が活躍するための、いわばキーとなるようなネットワークや学びの機会を提供しています。おかげさまで、第1期生として参加された金澤さんたちの後も多くの女性が参加し、めざましい活躍をされています。
金澤 民間でさまざまな仕事に携わる私たちが、業務を超えて、女性として、消費者として、あるいは親として、さまざまな視点で、徹底的に議論するという貴重な経験をさせていただきました。特に、保坂さんをはじめ経済産業省で国の政策をつくっている方々と直接、顔が見える距離で、徹底的に意見を交わせたことは非常に刺激的で、聞いたことはあっても、きちんと理解、学ぶ機会のなかった国の政策や針路にも、身近なものとして関心をもつことができました。研修を通じて、学びやネットワークの重要性を改めて感じ、以降も、当時の経済産業省の方々と参加メンバーで、自主的な勉強会と交流も継続しています。