山本 貴代
2021年03月01日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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2021年03月01日 |
山本 貴代 |
住まい・生活 |
ライフスタイル |
情報誌CEL (Vol.127) |
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日常はコロナの蔓延で一変。急ぎ足でやってきた少し先の未来を、世の中の消費を牽引する女性の視点から解読していきます。
現場もぶらり巡って、新たな気づきを発見するコーナーです。
大きく変わる“食生活と人間関係”
私たちの日常にコロナが侵入してきてから、早1年。街を歩けばマスク屋さんに当たり、店に入れば検温・消毒・換気・シールド越しの会話等々。コロナの文字を見ない日はありません。「オシャレ欲」に続き、2回目は「食」について考えていこうと思います。今回、本音を聞いたのは20代〜70代の女子146人。なにかとストレスも多い毎日ですが、この生活にも少し慣れてきたのか、暗黙のルールができたり、工夫やいいことも生まれたりしているようです。それではじっくり見ていきましょう。
コロナは多くの生活者の「食生活」と「人間関係」にまで入り込み、猛威を振るっています。以前と比べて「食生活に変化があった」という人は約75%。「人との付き合い方に変化があった」という人は約89%。中でも変化が大きかったのは、子育てが落ち着き外食も会食も多い50代でした。どちらも90%を超え、人間関係に至っては95%もの人に変化がありました。
「人と会っての食事の意味」を聞くと、1位:絆や関係を深める道具、2位:活力の素・元気になれる場所、3位:ストレス解消といった順位でしたので、コロナで会食ができなくなったのは、皆大打撃でしょう。ランチで発散していた主婦たちは、3度の食事作りにうんざり。ストレスが溜まった人も多いはず。一方、家食が増えたことでいいこともありました。夫が料理をするようになったり、子どもとお菓子を作ったり。「家族や夫・パートナーとの絆や距離が深まった」という人は3割以上もいました。
「食に関する行動が生活の中で気分転換のスイッチになっている」と答えた人は8割もいて、食のサービスを上手に使ったり、YouTubeで料理を習ったりしているようです。非常事態でも、食と人付き合いをポジティブに捉えている人が多いのは発見です。コロナ禍で生まれた食生活の作法や新ルール。公的な集まりはぐっと減り、人間関係に濃淡のついたコロナ禍ですが、多くの意見を読み解くとそこには新しい法則のようなものが生まれていました。「親しい仲でもコロナに対する考え方には温度差がある」との認識の中、若者からシニアまで日々細かく気を使っているようです。