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情報誌CEL

鈴木 隆

2023年09月01日

『CEL』を振り返る 第3回 海外取材で気づいた「対話」の力 

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研究領域

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媒体(Vol.)

備考

2023年09月01日

鈴木 隆

都市・コミュニティ
住まい・生活

その他
地域活性化

情報誌CEL (Vol.133)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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2018年、『CEL』の特集「外に学び、つくり直す」では、オランダとデンマーク、中国・深セン(センは土編に川)とシンガポールを取材し、
先端的な取り組みにより成果をあげている各地の事例について紹介した(119号、120 号)。
今号の特集の伏線となった「対話」についての気づきを、当時の取材の舞台裏も交えながら振り返る。


取材先の国(地域)と組織はこうして選ばれた

海外取材は同時期の『CEL』の統一テーマである「ルネッセ(再起動)」[*]の実践編として行われた。日本で海外に学ぶとなると、米国のシリコンバレーが定番であろう。しかし、『CEL』の特集で屋上屋を重ねるのはいかがなものか、欧州とアジアで先端的な取り組みをしている組織を取りあげた方が、多くの学びがあるのではないか、という考えから取材候補地を選定した。
その結果、世界で独自の存在感を示す国(地域)として、欧州ではオランダとデンマーク、アジアでは中国・深センとシンガポールを訪問することにした。これらの国や地域は当時のデータで見ても、以下のように日本と比べて高い生産性をあげていたからである。

日本 1人あたりと時間あたりの生産性 :21位と20位
オランダ 同 :10位と8位
デンマーク  同 :9位と5位
中国・深セン 国際特許申請件数 :世界一の中国全体の47% 1人あたりのGDP :中国国内トップ
シンガポール 1人あたりのGDP :アジアのトップ(日本の1・5倍)

これら4つの国(地域)にあって、日本ではまだあまり知られていないが、世界では知る人ぞ知る成果をあげている組織を、取材先として絞り込んでいった。 


取材を通じてつぶさに知った「対話」の実践とその成果

取材した国(地域)と組織ごとに、どのように対話を実践することで成果をあげていたのか、あらためて見ていこう。

オランダ① ワーグ
アムステルダムにある非営利団体である。1994年から市民と先端技術を結びつけ、ソーシャルイノベーション(社会変革)を生みだし、オランダ政府やEUからも調査研究を受託するまでになった。


* ラテン語の「再び(ren)」と「実在する(esse)」を組み合わせた造語。『CEL』116号から121号では、連続特集企画として「ルネッセ(再起動)」をテーマに、日本社会の抱える問題への新たな視点を提起した。

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