つれてってカード協同組合
2009年07月01日作成年月日 |
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2009年07月01日 |
つれてってカード協同組合 |
住まい・生活 |
ライフスタイル |
情報誌CEL (Vol.89) |
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強力な連携プレーで自立の道を拓く
「つれてってカードはお持ちですか?」。合言葉のように響く店主の声とともに、1枚のカードをお客さんが差し出す。ここ、長野県駒ヶ根市を中心に普及している『つれてってカード』は、全国に先駆け、行政・金融機関・商業機関が一体となって開発されたプリペイド方式のコミュニティカード。買い物時とプリペイド入金時にポイントが加算される仕組みだ。
地元の商店で長年続いたスタンプカード制度を見直し、ICカード開発へと着手したのは平成5年。その背景にはこんなエピソードが。「市内に大型ショッピングセンター(SC)が出店し、商店街から客足が遠のいてスタンプの発行枚数も3割以上ダウン。なんとかしたいという思いから、電子マネーを利用したカード事業に乗り出しました。でも、地方での成功事例がないだけに、まさに賭けでしたね」と振り返るのは、「つれてってカード協同組合」の理事長・矢澤哲也さん。
当時、日本ではまだ導入例がなかったICカード型電子マネー「モンデックス(※)」のシステムを活用するという冒険的な開発には、地場で信頼のあるアルプス中央信用金庫(前・赤穂信用金庫/以下アル信)をはじめ、駒ヶ根市および駒ヶ根商工会議所との強力な提携関係なくしては語れない。資金決済はアル信、利用支援は行政といった具合に、適材適所に役割を分担し、カード開発と同時に各加盟店への普及活動に専念。昔ながらの商店にIT機器を導入することや、プリペイドという聞き慣れない機能に抵抗を示す店主もいたが、「最新鋭のカードが大手SCへの対抗策となり、地元の活性化につながる」という意識を店主一人ひとりに根付かせるよう説得したことで、「99%の加盟店がICカードに移行できた」という。