西周 健一郎
2009年03月19日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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備考 |
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2009年03月19日 |
西周 健一郎 |
住まい・生活 |
住宅 |
情報誌CEL (Vol.88) |
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はじめに
「UR都市機構は、本格的な少子・高齢化、人口・世帯減少社会の到来、住宅セーフティネットとしての役割の重点化の要請等を背景に、社会構造や事業環境の変化に適切に対応しつつ、独立行政法人として経営の健全性を確保することが従来にもまして求められています。
今般、2007(平成19)年12月24日の『独立行政法人整理合理化計画』を受けて、UR賃貸住宅ストックを国民共有の貴重な財産として再生・再編するため、2018(平成30)年度までの方向性を定める『UR賃貸住宅ストック再生・再編方針』を策定しました」との書き出しで始まるUR賃貸住宅ストック再生・再編方針について、本稿では、その背景に簡単に触れるとともに、その内容について、機構が目指す新たな方向性に照らして紹介していきます。
UR賃貸住宅ストックの現状と社会構造の変化
UR賃貸住宅の前身である公団住宅は、公営住宅、公庫融資と並んで、戦後の住宅政策の柱として位置付けられ、我が国の経済成長や大都市への人口集中を背景とした社会的な要請のもとで、昭和30年から、主として中堅所得者層を対象に、良好な住環境を有するファミリー世帯向けの住宅として約77万戸が供給されてきました。
一方、我が国の人口は、2004(平成16)年をピークに減少に転じ、世帯数については2015(平成27)年をピークに減少が始まると推計されていること、また同年には高齢者のいる世帯が40%を超え、そのうち約60%が高齢者の単身または夫婦のみの世帯になると推計されていること、さらに近年の合計特殊出生率が低水準で推移していることなどがあいまって、本格的な少子・高齢化、人口・世帯減少社会の到来に直面している状況にあります。