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情報誌CEL

サントリー(株)の「水育」

2009年01月08日

 水を通しての次世代環境教育を進める

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2009年01月08日

サントリー(株)の「水育」

エネルギー・環境

地球環境

情報誌CEL (Vol.87)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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体験型学習で水について学ぶ

 サントリー?は、製品のほとんどが自然の恵みである“水”でできていることから、水を通しての次世代環境教育を進めている。それは、食に関する教育が「食育」であることに倣って「水育」と名付けられている。「『水育』を始めるきっかけは、弊社が2005年に『水と生きるSUNTORY』をコーポレート・メッセージに掲げたことでした」と同社環境部の川井恵美子課長は言う。もっとも、それ以前からサントリーでは、「水源涵養活動」など「水のサステナビリティ」の実現を目指す活動を手がけてきた歴史があった。「水育」は、その延長線上にある活動だと言えるだろう。

 同社は事業利益を、再投資、消費者と社員への還元、社会への貢献にあてる「利益三分主義」を伝統的な企業理念としてきた。それらを具体化する上で、いま何をすべきか考え、特に環境活動について未来を託す次世代にはたらきかけることが大事だということになり、2006年から、その具体的な方法として、水や、水を育む森などの自然をテーマとした「水育」を始めたそうだ。

 「水育」の最大の特徴としては、「水」をテーマにした体験型学習である点が挙げられる。「『暮らし』『からだ』『科学』『環境』という4つの切り口から、水の不思議さや人間との関わりを通じて、限りある水という資源の大切さ、すばらしさを学べる方法を考えました。現在、小学校4〜6年を対象とする独自に開発した学習支援プログラムを学校の教育現場で行う出張授業をはじめ、親子で楽しめるイベントの開催やホームページ上のサイト『サントリーこども水育わくわく大百科』などで『水育』を行っています」。

 それらの中でも人気の高い「水育」出張授業は、首都圏と京阪神、そして「サントリー天然水」の工場がある山梨県、熊本県、鳥取県の3県を対象に、小学校での90分( 45

分授業2コマ)の学習プログラムを行うものだ。

 授業では、例えば、事前課題で配布された「水育シート」を使って1日で自分がどれだけの水を生活で使ったか詳細に記録を付けさせ、授業の冒頭で発表することで、飲み水以外にも多量の水を使っていることなどを認識してもらう。その他、ペットボトルを活用して森の地層をイメージした「ろ過モデル」を作り、水がろ過されてきれいになる様子を学べる実験なども行っている。

 2008年は、100校を超える学校で約7千人の子どもたちが出張授業を受けた。 「おかげさまで『水育』出張授業はたいへん好評で、生徒から『実験やゲームを通して色々なことがわかった。地球上で使える水の量を知ってびっくりした』といった感想をもらったりしていますし、もう一度参加したいという声もいただいています」と川井課長は言う。

 同社のこうした取り組みは、実績や注目度などの点でも、企業が地球環境保全と次世代育成に貢献していく好例として注目していきたい

 

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