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情報誌CEL

橋本 佳也

2008年03月21日

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2008年03月21日

橋本 佳也

住まい・生活

地域ガバナンス

情報誌CEL (Vol.84)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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本を探すのはもちろん、時間つぶしや待ち合わせの場所として、駅前や街中の書店を活用している人は多いだろう。半ば外にひらかれた空間として、書店はある意味で地域の文化施設的な役割も果たしている。

 ところで、最近は小さな書店でも、品揃えに独自の視点を取り入れているところがある。例えば、店内の一部を、アートや旅といった何らかのテーマでまとめていて、一般書店ではあまり見られない本や雑誌を取り揃えたり、時には古本や雑貨も置いてあったりする。また、リトルプレスといわれる少部数の本や冊子ばかりを並べているところもあり、結構人気を呼んでいるそうだ。いわば本のセレクトショップであるが、どんな本を揃えるのかという棚づくりは、ある意味で創造的活動でもある。その店の担当者に何かの思いがなければ、一見それらしく整えることはできても、結局長続きしない。

 こうした本屋さんでは、店によっては街中の古い建物の一室などを自分たちの手でデザインし直しているところもある。同様に、若者たちが集うカフェや雑貨店などでも、自分たちが大切に思うものを集めて空間を組み立てている例も、最近はよく目にする。

 そうした固有性・個人性の強い場所は、一見閉鎖的な空間に見えがちだ。しかし、実は逆に外にひらかれていくことも多い。大阪でも、空堀界隈や中崎町などで、古い民家を再生した手づくりの場所が、地域の交流の拠点にもなっている。誰かの思いが積み上げられた場所が、独特の魅力をもつ場となり多くの人々の集いの場となっているのである。

 

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