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情報誌CEL

熊倉 功夫

2007年09月30日

CEL TOPICS 日本料理の歴史(3)日本の食文化の成り立ち

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2007年09月30日

熊倉 功夫

住まい・生活

食生活

情報誌CEL (Vol.82)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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食のタブーと精進料理

 日本的な食文化にはいろいろな伝統がありますが、ひとつは精進料理が非常に大事な日本の食文化の伝統ではないかと思います。精進とは何かと言いますと、これは宗教的タブーです。つまり、宗教的タブーを含んだ料理なんですね。宗教的タブーは宗教によって全部違うわけですから、何を食べるか、何を食べないかは宗教によって違います。もちろんヒンドゥでは牛は食べませんし、イスラム社会では豚は全然食べません。そういうことで言いますと、日本人が精進料理において魚鳥を避けるというのは、もちろん仏教の教えによるものです。

 ただ、日本の精進はどうもそれだけではありません。日本人は仏教をとり入れる以前から、食のタブーを持っていました。

 日本人にとっての食のタブーとは何かと言いますと、内と外の区別です。内というのは身内のことです。日本人は身内に対して非常に甘い。今の社会を考えても、組織においても身内に対しては甘く、外に対しては非常に厳しい。日本人は、どちらかというととても優しい民族でありまして、日本人が国内で戦争した歴史は沢山ありますが、本当に残虐無比な戦争をしたという記録はほとんどないんです。やったのは信長くらい。それ以外は大量に殺戮するようなことはやっていません。秀吉などは一番平和的な戦争しかしなかった人です。秀吉の戦争で大量に殺されるというようなことは本当に少なかったんです。室町時代の応仁の乱にしても、源平の合戦にしても、戦死者の数は非常に少なかったと思います。応仁の乱などは、京都で町の中が戦争の巷になる。では市街戦をしていたかというとそうではなく、例えば鴨川の川原で細川軍と三好軍が戦うということになると、京都の町人たちはみんな見物に行ったっていうんです。戦争の見物っていうのも変なもんですが、そんなもんだったんです。その日本人が海外へ出て行くと、かなり残虐なことをしいる。残念なことに、第二次世界大戦でのいろいろな残虐行為も伝えられております。

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