大谷 貴美子
2007年06月30日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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備考 |
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2007年06月30日 |
大谷 貴美子 |
住まい・生活 |
食生活 |
情報誌CEL (Vol.81) |
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はじめに
戦後、我々は、あらゆる面において「欧米諸国に追いつけ、追い越せ(キャッチアップ)」をスローガンに頑張ってきたと言っても過言ではない。食生活においても、欧米人の体格を目指し、栄養の改善は動物性タンパク質と乳製品を中心に進められてきた。戦後、長らく続けられてきた健康優良児の表彰に見られるように、まるまると太った赤ちゃんは、日本経済の豊かさと希望の象徴でもあった。しかし、それから六〇年もの歳月を経過し、まわりを見渡してみると、そこには日本の伝統的な食の姿はなく、日本の農業の衰退とともに、すっかり欧米化した食生活と、生活習慣病を病む多くの人々と、絆を失った家族の姿があった。
平成一七年に、食育基本法が施行され、続いて平成一八年に食育推進基本計画が示され、現在、国を挙げて食育が取り組まれているところであるが、なぜ、今、食育が必要とされているのかについて、ここではいくつかの視点から考えてみたい。