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情報誌CEL

宮本 倫明

2007年03月30日

まちづくりにおけるブランドの潜在的可能性と意義

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備考

2007年03月30日

宮本 倫明

都市・コミュニティ

地域活性化

情報誌CEL (Vol.80)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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「ブランド」を構成する要素

 

 昨今、地域づくりにおけるブランド論が盛んである。商品やサービスのマーケティングアプローチの手法の一つとしてのブランド構築を、都市や地域に応用しようとする試みが全国各地で実践されつつある。他との差異的優位性を確保することで当該都市や地域を

選んでもらいやすくする、とするブランディングの仕組みは確かに使えそうである。しかしながら、まさに試行錯誤の途上であるがゆえに明確な地域づくりの手法として確立されているとは言い難いのが実情だ。そもそもブランドを冠する実態自体が何なのか、または誰に対するブランド構築なのか、といった根本的な視点が抜け落ちた議論や事業も見受けられる。「都市」や「地域」のブランディングに取り組む際に、まず、一次産品や工業製品、特定の企業が提供するサービスに対するブランディングと比較して、ブランディングしていく対象が「都市」や「地域」であるという質的違いを理解することが求められる。この質的な違いを理解するためのキーワードが「ブランドを構成する要素」「ブランドを訴求する対象」「ブランドを担う人」である。

 「都市ブランド」の成り立ち

 例えば「都市ブランド」といえば、まさに「都市」が提供する商品やサービスまたはエリアイメージがブランドの実態となることから、「都市ブランド」を構成する要素としては、多様な都市機能(空港・港湾・ターミナルのアクセス機能、ホテル・コンベンション機能、ショッピング・アメニティ機能、情報受発信機能など)や、都市サービス(ビジネスサービス、グレードの高い飲食サービス、交通輸送サービス、娯楽サービス、文化教養施設サービスなど)がファンダメンタルとして挙げられる。加えて、都市の持つ歴史や文化的背景、規模や景観など

も「都市ブランド」を構成する要素となろう。ホスピタリティ、清潔さや安全性などの心理的要因も求められる一方で、猥雑さや混沌といった要素をブランドコアにする都市もあるだろう。将来的には、エネルギーや廃棄物処理面でのサスティナビリティも評価軸に入ってくることが予想される。

 

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