陶山 計介
2007年03月30日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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2007年03月30日 |
陶山 計介 |
都市・コミュニティ |
地域活性化 |
情報誌CEL (Vol.80) |
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夕張と旭川
「地方の時代」が叫ばれている今日、全国の注目を集めているのが” メロンと映画のある街“として有名な北海道夕張市である。二〇〇六年六月に経営破綻が明らかになって以降、その苦悩する姿はマスコミでも大きく取り上げられている。この四月より赤字再建団体に移行する。昨年一一月にまとめられた「夕張市財政再建の基本的枠組み案」のなかでは、約三六〇億円の赤字額を解消するために、?総人件費の大幅な削減、?事務事業の抜本的見直し、?観光事業の見直し、?病院事業の見直し、?施設の統廃合、?市民の負担増(市税の引き上げ、使用料の引き上げ、ゴミ有料化)、などが提起されている。
夕張市は明治初期から炭坑の街として栄え、一九六〇年には人口が一一万六九〇八人に達し、活況を呈していた。ところが、一九九〇年の三菱石炭鉱業南大夕張炭坑を最後とする相次ぐ炭坑の閉鎖のあおりを受け、昨年末には人口がわずか一万二八三一人にまで減少した。観光の街として再生しようと一九八〇年にオープンした夕張市石炭博物館など石炭の歴史村テーマパークや、一九八五年に建設された夕張メロン城などは、すでに経営難で休館ないし閉鎖された。現在でも人口減が続き” 夕張難民“という言葉さえ生まれている。