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情報誌CEL

橋爪 紳也

2007年03月30日

成長のエンジンとしての都市 ―CELへの期待

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2007年03月30日

橋爪 紳也

都市・コミュニティ

地域活性化

情報誌CEL (Vol.80)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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 二〇世紀は「都市化の時代」であった。対して二一世紀は「都市の時代」である。私たちは今、少子高齢社会や人口減少社会の到来、生活の成熟化といった要因を前提に議論をしている。しかし地球規模でみれば、人類はこれまでにない、経験したことがない爆発的な人口増加のさなかにある。二〇〇〇年に六一億人であった世界の人口が、三〇年後には八二億人になるという予測がある。

 一九九六年、国連のハビタット2・イスタンブール宣言では、都市こそが「成長のエンジン」だと強調した。今後、増加する人口のうち、かなりの割合が都市に住むというのだ。また二〇一〇年の開催に向けて準備がすすめられている上海での万国博覧会では、「都市」が大きな主題となっている。かつて都市は解決するべき問題が山積する場所であった。しかしこれからは状況が違う。エネルギー問題、地球環境問題、食料問題などにも目を配れば、都市という「人が集まって暮らすかたち」をいかにリ・デザインするのかに、人類の将来がかかっているといっても過言ではない。

 私たちがなすべきことは、当面の都市問題を解決するということだけではない。文明史的観点にたてば、世界の諸都市、とりわけアジア諸都市の模範となり、憧れの対象となる「持続可能な都市」を実現することに努力を傾けるべきではないか。関西の諸都市は、西欧が呈示してきた近代システムの影響を受けつつ、自文化との融合のもとに独自の発展を遂げた。私たちが暮らす都市を、日本文明のきわめて個性的な所産として誇りに思い、経済と文化の善き関係と良き循環を内在させる、日本流の「持続可能な都市モデル」として世界に呈示する使命がある。

 

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