正保 正惠
2006年06月25日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
カテゴリー |
媒体(Vol.) |
備考 |
---|---|---|---|---|---|
2006年06月25日 |
正保 正惠 |
住まい・生活 |
住生活 |
情報誌CEL (Vol.77) |
ページ内にあります文章は抜粋版です。
全文をご覧いただくにはPDFをダウンロードしてください。
はじめに
筆者は以前、『少子高齢化時代の都市住宅学』という著書の中で、「団塊世代にみるライフスタイルの変容」というタイトルの小文を書き、そこで日本の団塊世代を、” 高度経済成長期を中心に国内民族移動を果たしてきた迷走世代(?)“と名付け、そのライフスタイルの変容から少子高齢化時代の家族の行方を考えるという試みをしたことがある。
団塊の世代は、我が国全体で約六八〇万人、直前の(一九四四年から一九四六年生まれの)世代の約一・五倍という、まさしく大きな人口の「塊」、人口ピラミッドでは、最も大きな「とんがり」をなしている。
あらかじめお断りをしておくと、筆者は一九五九年生まれで、団塊の世代から見ると「ひとまわり」後を歩んできた。団塊ジュニアとの隙間を歩む私の世代から見れば、団塊世代は、勇敢に社会運動をし、ローラーのように何もかもを革新していく、眩しくもまた傍迷惑にも思える大きな存在に映ってきた。
さて、その団塊の世代が定年を迎え、それに伴って様々な分野における人事的困難(あるいは革新)が起こるという予想が、「二〇〇七年問題」として取り上げられるようになって久しいが、この小文では、彼らのライフスタイルがどんな特徴を持ち、今まさに定年を前に、どんな「民族移動」が始まろうとしているのか、大胆にも予測をしてみようという試みである。ただし、結論を簡単に先取りしてしまえば、まだ誰にも(多分本人たちにも)予測は難しいというのが本当のところである。