清水 英範
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2005年09月30日 |
清水 英範
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住まい・生活 |
ライフスタイル |
情報誌CEL (Vol.74) |
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今回の生活者意識調査の中で、生活者の企業に対する意識・関わりを探る意図で、CSR、ISO、ブランドに関する質問をいくつか行った。全体の設問数の制約もあり、極めて限定的な範囲での不十分な考察に過ぎないが、調査データから読み取れる限りでの生活者と企業の関係について、他所の調査結果を交えつつ紹介したい。なお、筆者の基本的な問題意識は「生活者から見たCSR(企業の社会的責任)」であるが、すでにCSRに関する意識調査は財団法人経済広報センター「生活者の” 企業観“に関するアンケート」をはじめとして優れたデータが存在する。従って、既存の調査と重複する設問を避けたため、本調査は” ニッチ“な部分の補完に過ぎないことを最初にお断りしておきたい。
なぜ今CSRなのか
この数年の間に、国内企業においてCSRへの関心が飛躍的に高まっており、新聞・雑誌などで関連記事を目にしない日はないと言っても言い過ぎではない。またCSRに関する優れた書籍も数多く出版されている。CSRの詳細についてはそうした資料を参照していただきたいが、以下ではCSRが強く意識されはじめた経緯をごく大雑把に述べてみたい。
まず、CSRについてのオーソライズされた定義は存在せず、様々な国内外の機関あるいは研究者によって異なった説明がなされている。例えば経済同友会の第一五回企業白書ではCSRについて「すべてのステイクホルダーを視野に入れ、経済・環境・社会など幅広い分野での社会ニーズの変化を捉え、それをいち早く『価値創造』や『市場創造』に結びつけることによって、『企業の競争力強化』や『持続的発展』とともに、『企業の活性化』や『より良い社会づくり』をめざす取り組み」と定義している。