弘本 由香里
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2005年06月30日 |
弘本 由香里
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都市・コミュニティ |
都市システム・構造 |
情報誌CEL (Vol.73) |
市場と市民・コミュニティ・セクターを架橋するコミュニティ・ビジネスの可能性から |
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大阪・上町台地界隈をフィールドに、都心居住の課題をふまえ、ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)の再構築という視点から、地域資源を戦略的に捉え直し、持続的に活かしていくこと。その発展的なプロセスこそ、都心居住文化創造の基盤となり得るものであり、地域に根差し、公益的な価値創造の循環を促していく道筋を探っていくことが、本シリーズのテーマの一つと考えている。
第一話から第三話では、「上町台地からまちを考える会」の誕生の背景や事業を通した社会への問いかけ、さらには同会をプラットホームとしながら取り組まれてきた研究活動等、同会ならではの特徴的な動態が持つ今日的意味について、関係者による言説と実践を紹介しながら掘り下げ、前記テーマへのアプローチを試みた。
特に、前回の第三話では、ネットワーク型組織である「上町台地からまちを考える会」における、まちづくりを実践する個々の現場及びその担い手と、組織やまちづくりを研究する大学・大学院などの研究活動及びその担い手との実践的な協働関係に着目。同会をプラットホームとして、そこに関わる多様な主体が、個別の課題ごとに自律的につながり、実践活動を生み出していくダイナミズムが拓く可能性に触れた。
こうした協働的実践の可能性を前向きに評価し、さらに拡張していく試行の一つとして取り組んでいるのが、第三話の最後に一言触れた「上町台地コミュニティ・ビジネス研究会」(メンバー構成は表1のとおり)である。同研究会は、筆者が所属する 大阪ガス エネルギー・文化研究所による「上町台地界隈におけるコミュニティ・ビジネスの現状と可能性に関する調査」委託により、(財)大学コンソーシアム京都を事務局として発足。同財団の協力を得て、複数の大学・大学院の参画を実現するとともに、現地窓口としての「上町台地からまちを考える会」及び関係団体との実践的な協働関係を築きながら、調査研究活動を進めているものである。