飯島 吉晴
2005年03月15日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
カテゴリー |
媒体(Vol.) |
備考 |
---|---|---|---|---|---|
2005年03月15日 |
飯島 吉晴 |
エネルギー・環境 |
エネルギー・ライフスタイル |
情報誌CEL (Vol.72) |
ページ内にあります文章は抜粋版です。
全文をご覧いただくにはPDFをダウンロードしてください。
高度経済成長と食生活の変貌
日本社会は、終戦直後の焼け跡の何もない貧しい時代から、六○年代を中心とする高度経済成長時代を経て、短期間の間に未曾有の発展を遂げ、物質的にきわめて豊かな時代を迎えることになった。それに伴って日本人の生活も、あらゆる面で大きな変貌を遂げてきたが、食生活の面でも「いつでも好きな時に、好きなものを、好きなだけ食べることができる」夢のような状態を実現した。世界のあらゆる食物や食材が容易に入手でき、世をあげてグルメ・ブームや飽食の時代といわれる反面で、残留農薬や食品添加物など食の安全の問題、年間の米生産量に相当する千トン余りの残飯や食べ残し、低い食物自給率、拒食・巨食などの病的な食物摂取、栄養過多や運動不足からの肥満や生活習慣病の増加、個食・孤食などの家族バラバラの食事の時間や内容といった新たな問題も現出している。また最近では、ファーストフードやインスタント食品、冷凍食品などの画一的な味や大量生産の加工食品を見直し、ゆとりのある生き方や自然食品・有機農法などに高い関心を示すスローフード運動も先進国を中心に盛んになってきている。