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情報誌CEL

山下 満智子
川島 隆太

2005年03月15日

【対談】人の脳と「火」の関係を探る研究に期待

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2005年03月15日

山下 満智子
川島 隆太

エネルギー・環境

エネルギー・ライフスタイル

情報誌CEL (Vol.72)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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 東北大学未来科学共同研究センターの川島隆太教授は、人の脳の活性化に関する研究の第一人者。これまで、単純計算や音読、他者とのコミュニケーションが大脳の前頭前野を活発に動かし、脳の活性化に役立つことなどを実験によって実証されてきた。

 大阪ガスエネルギー・文化研究所は、「料理をすることが、人間の脳によい影響を与えるのではないか」というテーマについて、昨年、川島教授と共同研究を実施。近赤外線計測装置(※)を使い、実際の料理の各プロセスにおいて脳の働きを調査した。その結果、料理のどのプロセスにおいても脳は活発に働いていることを確認。料理をすることが脳の活性化に大いに役立つことが推測された(詳細は本誌今号の山下の報告参照)。

 この研究結果を踏まえた上で、調理と「火」、さらに生活の中の「火」と脳との関係などを探る可能性について、川島教授にあらためてお話をうかがった。

(※)頭皮上から頭蓋内に弱い近赤外線を照射し、再び頭皮上に戻る反射光を検出することで大脳皮質の血流量を検出し、その変化から脳活動を計測する精密機器。

料理が脳の活性化に役立つことを知って欲しい

山下 今回、川島先生にご指導いただき、自分で料理をすることが人の脳の活性化につながることが科学的に確認できました。外食やコンビニで買ったものなどでほとんどの食事をすませる人もいて、家庭で料理をすることの意味が問われている現代、(先生のこれまでの研究から生まれた)計算や音読のブームのように、ここから、新しい料理ブーム、いろいろな年代の方が料理を楽しむという動きが広がっていくことを期待しています。大阪ガスのホームページでも研究成果を発表しているのですが、すでに、病院関係の方をはじめ、高齢者施設からの問い合わせがきています。

川島 今度の介護保険制度の見直しで、日常生活での介護予防にも重点がおかれますが、実際には高齢者は何をしたらよいのかを厚生労働省が具体的に提示できていないこともあるのでしょうね。読み書き計算も役立ちますが、料理もその一つのアイテムとして有効だということが分かってもらえたのだと思います。

 

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