山下 満智子
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2005年03月15日 |
山下 満智子
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住まい・生活 |
食生活 |
情報誌CEL (Vol.72) |
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「料理を作る」機会の減少
家庭で料理を作ること(人や機会)が減ってきたと言われて久しい。戦後六〇年、日本の家庭の食事風景は、大きく変貌してきた。その中で特に一九七〇年代は、戦後の日本の食生活におけるターニングポイントとなった。
一九七〇年代には、日本に初めてファミリーレストランやケンタッキーフライドチキン、マクドナルドなどのファストフードが上陸した。ほぼ同じ頃に流通の新業態としてコンビニエンスストアも登場した。そしてそれらのチェーンは、数年のうちに日本中に出店し、日本の食事風景を大きく変えてきた。
近年、スローフードなどの食のポストモダニズムと言えるような運動が、世界的な広がりを見せている。それらは、行き過ぎた食の外部化やグローバリゼーションに対する反対や反省から生まれたものである、しかし、世界中で食の外部化やグローバリゼーションの勢いに変わりはない。
日本の食卓の現状を考えても、食の外部化やグローバリゼーションなしには、食卓は一日も成り立たない。単身者や小家族化という家族構成の変化や高齢化など様々な社会環境の変化を背景に、食の外部化は着実に進展し、家庭で「料理を作る」人や機会は、大幅に減少してきている。