林 政明
2005年03月15日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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2005年03月15日 |
林 政明 |
エネルギー・環境 |
エネルギー・ライフスタイル |
情報誌CEL (Vol.72) |
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焚火の時間
国際焚火学会 編 コスモヒルズ 一九九四年
私のおススメする本は焚火本です。といっても焚火のための燃やす本ではありません。
ついこの間、近所に売り出し中の新築マンションをのぞいて驚きましたね。キッチンに火の気がないんですよ。電磁調理器ってやつで煮炊きをし、焼き物はオーブンレンジ、風呂を沸かすのも電気の力、てんですから。どうも炎を使うと火事が恐い、てぇことでこういうことが流行りだそうです。
この調子でいくと、生まれてから一回も火や炎と付き合わずに死んでいくという不幸な人生を送る人が増えそうな気配ですねえ。
私の子供時分(昭和三〇年代)、火といえば木・炭・練炭・まめ炭などが主な燃料。ご飯を炊くのは薪、風呂も薪、魚を焼く時は七輪で炭、こたつは炭とまめ炭の併用で、寝る時のアンカはまめ炭という具合。しかもこの作業、どこの家も子供が手伝っていたんです。親たちは忙しかったんですね。しかし親や大人は子供の火遊びや火の始末に、実にやかましかった。だから子供も火を上手く扱っていましたよ。
生活が便利になった昨今では、日々の暮らしの中で” 火“というものに直接触れることがなくなりつつある。さあ、これからの大人たちは火を上手く扱えますかね。