CEL
2004年12月25日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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2004年12月25日 |
CEL |
都市・コミュニティ |
まちづくり |
情報誌CEL (Vol.71) |
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観光都市として魅力を生みだした「水」
松江市は山陰地方最大の都市であり、「くにびき神話」(※)で知られる宍道湖に面した「レイクシティ」でもある。古代出雲の中心地として早くから開け、奈良時代には国庁や国分寺が置かれていたという歴史を誇る都市でもあることから、奈良市・京都市と並ぶ国際文化観光都市にもなっている。
だが、地理的な条件などから、一時は観光人口の減少に悩んでいた。その頃、神戸市で助役をしていた宮岡前市長が、神戸市におけるウォーターフロントの再生をきっかけとした観光事業の成功例をもとに、『水の都』と言われる松江市の歴史的遺産にスポットを当て、『水』を足がかりにした観光都市の復興を積極的に図った。
具体的には、松江城を中心に市内に張り巡らされた堀や川を利用し、平成九年から、それらを巡る全長約三・七キロ(所要時間約四五分)という「堀川めぐり」を開始。
「堀に面している家からは、観光客でうるさくなるのでは、といった反対意見も出ましたが、水都としての松江の魅力を知ってもらい、観光の目玉にしたいと言って、何とか説得して開始しました」と松江市産業振興部観光文化課の吉野修司副主任。
その狙いは見事に的中し、昔ながらの情緒が残る街並みを堀から眺めるのが人気を呼び、今では年間三四万人も訪れる観光名所となった。