石森 秀三
2004年12月25日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
カテゴリー |
媒体(Vol.) |
備考 |
---|---|---|---|---|---|
2004年12月25日 |
石森 秀三 |
都市・コミュニティ |
まちづくり |
情報誌CEL (Vol.71) |
ページ内にあります文章は抜粋版です。
全文をご覧いただくにはPDFをダウンロードしてください。
ニュージーランドのクライストチャーチは「ガーデンシティ」と呼ばれる美しい庭園都市である。都心を流れるエイボン川は、水の透きとおった美しい川だ。朝早くにホテルを出て、川端を散歩すると気分が爽快になる。昼間であれば、英国風の「パンティング」と呼ばれる舟遊びを楽しむこともできる。都心における水辺の安らぎ空間は、市民にとっても、ビジターにとっても貴重である。日本人にとって、ビルが建ち並ぶ都心で、美しい水辺が確保されているのは奇跡的という感じがする。日本であれば、川は埋め立てられて、貴重な都心の土地に変えられていたことだろう。
韓国のソウルでは今、「水と緑の都市再生」プロジェクトが進められている。都心を流れる清渓川は、第二次世界大戦後の都市化で清流の汚染が進んだために、川の上に8車線道路が造られ、その上部に高架道路が建設された。近年、高架道路の老朽化や環境保全の動きの高まりを受けて、現在のソウル市長イ・ミョンバク氏が、同プロジェクトを市長選の公約に掲げて、2002年に当選した。8車線道路の中
央4車線が封鎖され、コンクリートの道路を引きはがして、6kmに及ぶ河川復活を図るという大胆な都市改造が実施され、2005年秋には完成予定だ。河川復元をテコにして、国際金融や集客観光の拠点としてのグレードアップが目指されている。イ市長は都市改造を成功させて、2007年の次期大統領選に立候補の噂が流れている。