豊田 尚吾
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2004年12月25日 |
豊田 尚吾
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エネルギー・環境 |
地球環境 |
情報誌CEL (Vol.71) |
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米国の離脱で実効性に疑問をもたれていた地球温暖化防止条約・京都議定書は、二〇〇四年一〇月のロシア政府の批准決定によって、二〇〇五年二月に発効することとなった。日本においては、条約の基準となっている一九九〇年水準で見れば、すでに温室効果ガスの排出量は八パーセントの増加となっている。条約での削減目標は、九〇年比六パーセント減であるため、今後、実質的に八パーセント+六パーセント=一四パーセントもの排出削減に取り組まなければならない。そのため、環境省からは環境税の導入に関する報告書が提出されるなど、さまざまな取り組みが行われようとしている。一方で、環境対策は経済活動に負の影響を与えるとの認識が根強く、各種環境政策の実施に当たっては、多くの障害が待ち受けていることも事実である。
このような中、その効果に疑問を持たれながらも、常に議論の遡上に上るのは、国民の環境対策への理解と積極的な取り組み、その基礎となる環境教育である。環境問題が一種の「社会的ジレンマ」状況にあるとするならば、やはりその基本構造を多くの人によって理解されることが、解決の第一歩であることは間違いないだろう。そこで本稿では、主に環境やエネルギー問題に関する若者の意識について論じてみたい。その方法は、彼らに対するアンケートのデータを分析することである。