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情報誌CEL

久野 武、真名子 敦司

2004年09月30日

【対談】無意識に「エコライフ」をするのが真の「エコライフ」

作成年月日

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研究領域

カテゴリー

媒体(Vol.)

備考

2004年09月30日

久野 武、真名子 敦司

エネルギー・環境

環境対応

情報誌CEL (Vol.70)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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対談

 

無意識に「エコライフ」をするのが真の「エコライフ」

 

久野 武 Takeshi Hisano 関西学院大学総合政策学部 教授

 

真名子 敦司 Atsushi Manago 大阪ガス エネルギー・文化研究所 所長

 

 低迷が続いた我が国の経済にもやっと薄日がさしてきた。そうした中でも、高度経済成長期に築かれた「大量生産・大量消費・大量廃棄」の価値観を捨てられず、より一層、物質的な豊かさにしがみつく人々は多い。だがその一方で、ものの価値よりも、心の価値を求める傾向も見られるようになってきており、そうした動きが、本誌でもこれまで取り上げてきた「スローライフ」や「ロングライフ」といった流れを生み出している。

 また、地球温暖化問題に代表されるように、地球規模での環境変化を感じることも多くなった現在、生活者レベルで自分のライフスタイルを見直す人たち、いわゆる「エコライフ」と呼ばれる地球環境に配慮した生き方を実践し、大量消費・大量廃棄という価値観を見直そうとしている人々も確実に増えている。その一方で、あらゆることが広く浸透し拡散すると同時に、その本質を見失ってしまう可能性があるが、「エコライフ」もその例外ではなく、本来の役割を見失っているケースも見受けられるように感じる。

 今回は、当エネルギー・文化研究所所長の真名子敦司が、かつて厚生省(当時)と環境庁(当時)で自然保護行政と環境行政に携わってこられ、現在は関西学院大学で環境政策論の教鞭を執られている久野武教授をお迎えし、現代の「エコライフ」が持つ誤った視点も含めて、『現代における「エコライフ」のあり方』をテーマにお話をうかがった。

 

現代的な「エコライフ」を求めて

 

真名子 久野先生が昨年一月から連載されているEICネットの「H教授の環境行政時評」は、とてもユニークな構成ですが、分りやすくていいですね(URL: http://www.eic.or.jp/library/prof_h/)。

久野 あれは、国立環境研究所の環境情報案内・交流サイト(Environmental Information & Communication Network)、通称「EICネット」から依頼を受け、Aさんという女子学生との対話を通して自分の考えを述べたものです。おかげさまでなかなかの好評をいただいているようです。

真名子 時にはH教授が厳しい意見も述べられるのに、サラリと受け答えをされたりするAさんは、随分、勉強家の学生さんのようですね。

久野 さあ、どうでしょうか。実は彼女は、こんな学生がいればいいなあと考えて、私が創造した架空の人物かもしれませんよ(笑)。

真名子 ところで今回、本誌は特集テーマとして「エコライフ」を取り上げています。

久野 自然を大切にした生き方である「エコライフ」を実践しようとしている人は、確かに増えているように思いますね。

真名子 私は、昔の暮らし方のいいところを見直しながら、そこに新しい技術を加えることで、現代的な「エコライフ」を生み出すことができると思っているのですが。

 

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