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情報誌CEL

杉山 久仁子

2004年09月30日

食を考えると「エコライフ」になる

作成年月日

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媒体(Vol.)

備考

2004年09月30日

杉山 久仁子

エネルギー・環境
住まい・生活

環境対応
食生活

情報誌CEL (Vol.70)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
全文をご覧いただくにはPDFをダウンロードしてください。

近年、食の安全を脅かす事件が多発している

 私たち動物は生存のために、他の動物または植物を自己の栄養源として摂取している。人間以外の動物は、自己の守備範囲に属する餌のみを摂取し、食物連鎖を形成している。人間は、食料を安定的に確保する(生産性を向上させる)ために様々な技術を駆使して、計画的な採集、栽培、飼育、改良を行い、人間に必要な特定の動植物のみを増殖させて自然の生態系を変えてきた。農薬の使用や遺伝子組み換え技術も生産性向上のための技術である。さらに、その食料の保存性を高め、輸送を可能とするために加工処理を行い、食品へと変えてきた。食品添加物の利用は、食品の保存性の向上に多大な役割を果たした。食料の生産、流通、加工、消費はそれぞれ分業で行われるようになり、消費とそれぞれの距離が遠くなった。食の外部化も進み、家庭内で食材に直接触れるという機会すら減少してきている。

 このような環境の中で、私たちは自分の口に入る食品がどのような場所でどうやって生産され、どのように加工されているかということについての関心も低くなってしまっていたのではないか。また、途中の段階にそれぞれ携わる人々も消費者の顔が見えないために、機械的に食品を生産処理し、食の安全性の重要性を軽視してしまっていたのではないか。昨今、この生産から消費までの履歴を公開する技術、トレーサビリティーの導入が進められている。あまりに流通過程が複雑化しているために、この技術を様々な食品に適応していくためには、多くの人的なエネルギーが必要とされる。

 

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