山本 耕平
2004年09月30日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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2004年09月30日 |
山本 耕平 |
エネルギー・環境 |
環境対応 |
情報誌CEL (Vol.70) |
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地球規模の水問題
二〇〇〇年八月に南アフリカ、ヨハネスブルグで開催された「持続可能な開発に関する世界首脳会議」では、水問題が主要な議題の一つとして掲げられた。二〇〇三年三月には、日本で「第三回世界水フォーラム」が開催され、一八三の国・地域から約二四〇〇〇人が参加し、地球規模の水問題について様々な会議が行われた。これを契機に、日本でも水問題への関心が高まってきている。
今、世界では三分の一近くの人々が慢性的な水不足の中で暮らしており、一〇億人以上の人々が、安全な飲料水を手にすることができない。また二〇億人以上の人々は劣悪な衛生環境の中で生活しており、水が原因の疾病によって、毎日およそ六〇〇〇人の子どもが命を失っている。この状態を放置すれば、二〇二五年までには世界人口の三分の二近い人々が、何らかの形で水に関係する困難を経験するだろうといわれている。
国連では、淡水資源の持続可能な管理を改善するとともに、二〇一五年までに安全な飲料水に接し、または購入することのできない人の割合を半減するという目標を掲げているが、その実現には様々な課題がある。 地球は水の惑星といわれ、七〇パーセントが水に覆われている。しかしその水の九七・五パーセントは海水で、淡水はわずか二・五パーセントにすぎない。しかも淡水の七〇パーセントは極地の氷や氷河であり、残りの大半も地下水として蓄積されているもので、われわれが普通に利用できる河川、湖沼の水は、地球上の水のたった〇・〇一パーセントであるとされる。